2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24659872
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
川瀬 知之 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90191999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 一博 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00169228)
永田 昌毅 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (10242439)
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Keywords | 歯槽骨 / 骨膜細胞 / 培養 / 軟骨誘導 / 分化 |
Research Abstract |
軟骨誘導の初期操作は以下に記述するプロトコールにしたがって実施した。まず、同意のもとに提供いただいたヒト歯槽骨由来の骨膜片を10% FBSを含むMedium 199培地か幹細胞用培地(MesenPRO)で組織片培養して、ある程度の大きさ(直径30mm以上)になるまで骨膜シートとして成長させた。その後、スクレーパーを用いて傷害が最小になるように丁寧に剥離し、サンプルチューブに移した。遠心することによって、骨膜シートを折りたたまれたような球状の形態に成形した。この操作によって、シート内で多層化している細胞はより高密度な状態になる。この状態で、TGFβ等を含む軟骨誘導培地に交換し、旋回培養器で培養を続けた。 一定期間培養して得られた球状の骨膜細胞塊について、組織学的あるいは分子生物学的解析を行なった。組織学的には、Alucian blueやToluidine blueで濃染するproteoglycansの豊富な産生と蓄積が認められた。さらに、免疫組織染色によって、軟骨細胞のマーカーであるcollagen type II, aggrecan, Sox9などの発現を認めた。一方、骨芽細胞のマーカーであるcollagen type Iは細胞塊の外表面に一層局在が確認された。またRunx2はSox9陽性細胞と重なるように局在していることが判明した。 しかしながら、collagen IIの発現はスポット状のままで全体に広がらず、ECMの大部分はプロテオグリカンなどが占めているようであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
培養骨膜シートを剥離して球状にしたのち、天井培養を経て、サンプルチューブ内での振盪培養に移行する。この時点で、軟骨細胞誘導培地に切り替えることによって、軟骨細胞マーカーといわれるAggrecan, SOX9が蛋白および遺伝子レベルで亢進させることができた。さらに、アルシアン青陽性でトルイジン青染色で薄いながらもメタクロマジーを染色するプロテオギリカンやグリコサミノグリカンの存在を確認できた。しかし、培養条件を調製してもcollagen IIの発現を顕著に亢進することはできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで使用していた軟骨細胞誘導培地を他社製品に切り替える。TGF-βなどの添加物濃度を調整する。Wntシグナルに対するsiRNAの使用を試みる。これらの方法を組み合わせて、collagen IIを顕著に発言する細胞を作製する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
培養条件を最適化することによって培養骨膜シート軟骨細胞マーカーであるAggrecan, SOX9が陽性でプロテオグリカンを産生する軟骨細胞様細胞を作製するところまで行った。しかし、collagen IIの発現についしては期待を下回るもので、目標とする軟骨細胞と言えるものではなかった。Wntシグナル阻害剤処理も試みたが、細胞毒性が大きく、分化誘導するには至らなかった。そこで、いったん実験をストップして、細胞処理法について情報収集し、計画を練り直していたため予算を使い切るに至らなかった。 培地や試薬などの消耗品に使用する。また発表に関する旅費や経費にも使用する計画である。
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Research Products
(3 results)