2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24659872
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
川瀬 知之 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90191999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 一博 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00169228)
永田 昌毅 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10242439)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 軟骨誘導 / 歯槽骨 / 骨膜細胞 / 培養 / 分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究から、軟骨内骨化しないといわれる歯槽骨の骨膜から得た細胞をECMが豊富に含まれた状態で高密度培養すると軟骨細胞様に分化することが示された意義は大きい。しかし、collagen type IIが組織の一部にスポット状にしか発現しないこと、また組織の大きさが5mmを超える大きさに成長することがほとんどないことが課題として残った。そこで、今年度は、軟骨分化のキーとなる細胞内情報伝達系であるβ-cateninの阻害剤によるWnt signalの優位化による効率的な軟骨細胞誘導とともに、骨膜シートから離れて分散骨膜細胞を高密度天井培養することで軟骨細胞に誘導することを試みた。 まず、Life technology社の軟骨細胞誘導培地で培養した球状の骨膜シートに対してβ-catenin阻害剤としてFH535を使用した。これは細胞膜透過性がある試薬であるが、IC50(~5μM)とされる濃度付近で著しい細胞増殖抑制から細胞毒性も認められた。Col IIの発現を免疫組織学的に検討したが、有意な発現亢進は認められなかった。 そこで、原点に戻って、軟骨細胞誘導の定石ともいえる高密度天井培養を試みた。骨膜細胞は骨膜シートから分散させたものを用いた。骨膜シート球に比べて細胞密度は高いものの、ECMがほとんどないため細胞間の接着力は弱く、旋回培養の機械的刺激には耐えられないことから、1日数回程度柔らかく混和する程度で長期培養を試みた。Proteoglycanの発現は骨膜シート球と同程度であったが、やはりcol IIの発現と成長性が目標とするレベルに達することはなかった。 最近の研究から、ドナー年齢の高い場合、体性幹細胞からの軟骨細胞誘導は不完全なものになる可能性が高いという報告があった。われわれが使用した骨膜細胞はそもそも高い軟骨細胞分化活性が備わっていないかもしれない。このメカニズム解明は今後の課題としたい。
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Research Products
(3 results)