2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24659877
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
加藤 功一 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 教授 (50283875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 英見 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 教授 (40161765)
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Keywords | 再生医療 / 間葉系幹細胞 / サイトカイン / スキャホールド / タンパク質 / 骨分化 / 歯周組織 |
Research Abstract |
歯周組織の再生治療法として、間葉系幹細胞(MSC)を組み合わせた組織工学的手法が注目されている。しかしながら、現在、その治療技術は決して満足できるレベルではない。とくに、MSCを用いる歯周組織再生では骨の増成速度を向上させることが最も重要との認識の下、足場材料に組み込む最適な増殖因子の探索を中心に研究を進めた。そこで本年度は、各種のタンパク質性因子、およびそれらの組み合わせについてそれらの骨芽細胞誘導促進効果を調べた。 分析にはヒト由来不死化MSCを用い、種々の増殖因子を添加した分化培地中、2週間培養した。その後、骨分化に伴うカルシウムの沈着を調べるためアリザリンレッド染色を行うとともに、骨分化マーカーであるアルカリフォスファターゼ、オステオポンチン、オステオカルシンのmRNAの発現をリアルタイムRT-PCR法により分析した。その結果、増殖因子としてBMP-2あるいはBMP-2とNT-4を添加した場合にカルシウムの沈着がとくに亢進することがわかった。一方、ALP、OPN、OCNのmRNAの発現は、BMP-2/NT-4を混合した場合より、BMP-2単独で加えたほうが多かった。以上の結果から、機能性スキャホールド開発においては、簡便性の点も考慮して、骨分化を促進したい部位へBMP-2を単独で担持するのが適当であると考えた。 さらに、上記のスクリーニングによって選択された増殖因子をポリ乳酸系足場材料と複合化することを想定し、足場材料に親和性のあるペプチドを探索した。その結果、ある種の配列をもつペプチドが、ポリ乳酸系足場材料に親和性を示すことがわかり、そのような足場材料へ増殖因子を担持するためのアダプター分子として融合する方向が効果的であることが示された。
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