2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24659878
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00294570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 比呂司 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40229993)
末廣 史雄 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40524781)
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Keywords | 骨増生 / 骨膜 / 再生医学 |
Research Abstract |
昨年までの予備実験で、膨潤性材料としてのPLLA/PLGAは16~45%の範囲での圧縮率では、いずれも圧縮前よりも厚くなることはないが、圧縮率が高いほど膨潤率は高いことが分かった。しかし高い圧縮率のポリマーで同じ厚みを確保するとポリマーの質量そのものが高くなり、分解時に酸を産生することにもなるため、適度な圧縮率と厚みをもつ膨潤材が適当であると考えられる。一方でPLLA/PLGA膜はその製作時は均質に厚いものを製作することが困難であるため、最大厚が4mm弱のものを準備し、3種類の厚み(3.6→2.2 mm; 約63%,3.6→1.7 mm; 約48%, 3.76→1.1 mm; 約29%)になるように圧縮を加えた。その膜をラット頭頂骨上の骨膜下へ挿入し、生体の反応とその後の組織学的観察を行った。その結果、2週後、ラット頭頂部はいずれも良好に膨れていた。3週後に圧縮約63%の膜を挿入した部位を開くと、既に母床骨と弱く結合していた。そのため、膜を除去するためには3週以内が適切であることが示唆された。さらに長期的にPLLA/PLGA膜がどのように変化するかを観察するため、9週後と12週後での頭頂骨上全体の組織を回収し、組織学的に観察した。9週後にはいずれの膜を挿入した部位も母床と強固に連続し、3mmの厚みがあり、頭頂骨は若干陥没していた。組織学的にはいずれの膜の内部にも一部異所性の骨化が認められた。12週後に圧縮約29%の膜を移植した頭頂部は硬く膨張しており、組織学的には3mmに膨張した膜のうち、2mmの高さまで母床骨から連続した骨が形成されていた。一方圧縮約48%の膜を移植した頭頂部はあまり膨れておらず、頭頂骨と強固に結合した膜は既に吸収が起こっており、これを除去すると頭頂骨は極めて薄くなり脳硬膜に至る部分まで一部吸収が見られた。
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