2013 Fiscal Year Research-status Report
細胞親和性を担持させたセラミックスと海洋性コラーゲンを用いた歯科治療の新規開発
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24659879
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
池田 香 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 客員研究員 (20578330)
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Keywords | セラミックス / 象牙芽細胞 / 硬組織再生 / fish collagen |
Research Abstract |
長崎大学病院虫歯治療室外来患者からの同意のうえ、長崎大学病院倫理委員会の承認を受けたうえで、不要抜去歯から歯髄細胞を分離し、初代培養のち、通法に従って継代を行う。大学既設のセルソーターにて細胞表面マーカーとしてCD105陽性かつCD31陰性の分画となる細胞を分取し、幹細胞マーカーであるCD29、CD44、CD73およびCD90が陽性となることをフローサイトメトリック解析し、血管新生能および神経再生能を有する歯髄幹細胞であることを確認できた。 次に分取培養された歯髄幹細胞の象牙芽細胞への分化誘導を促進する目的で、硬組織誘導培地(アスコルビン酸、β-グリセロリン酸およびデキサメサゾン含有DMEM)へ極低濃度(0.001mM)のFCP溶液を添加した。歯髄幹細胞の継代培養を行い、分化誘導状況については石灰化現象の指標であるALP, TypeIcollagen,Osteocalcin,BMP-2およびDentin sialoproteinやDMP1(Dentin matrix protein)のターゲット遺伝子を用いて教室既設のリアルタイムPCR法によるcDNAの厳密な定量分析を実施し分化レベルを検証できた。形態学的にカルセインにてラベリングした生細胞に対し共焦点レーザー顕微鏡観察を行い、象牙質様細胞外基質形成促進作用が確認し、ALP免疫染色、von kossa染色にて観察しFCPの生物学的石灰化促進能を検討した。 CEREC ACにて通法に従って全部被覆冠形態のオールセラミック冠を作製し、本研究ではE-cad-Fcキメラタンパクマトリックスを用いた歯髄幹細胞の継代培養によって効率的に細胞増殖を目指ているが、現在適宜フローサイトメーターおよびリアルタイムPCR法にて、NanogやOct3やSox2遺伝子発現状況について検証し未分化性の維持を確認中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に準じて、小動物を用いた細胞移植のステップに移行しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫抑制マウスを用い下顎骨表面より骨削合し、切歯歯根表面に露髄面を形成後、CAD/CAMにて光学印象後、適合するセラミック体を作製する。その後上記三次元象牙芽細胞―セラミック坦体複合体を培養調整し、最適な時期に移植留置し、その際露髄面に接するようにFCPゲルを象牙芽細胞遊走因子や細胞成長因子を注射シリンジを用いて、間隙ができないよう密接に注入する。その後経時的な(移植後1~24週を目安)露髄面での細管性新生象牙質形成度について50kv、0.75mAの条件下で当大学既設の実験動物用マイクロCTの使用協力を得て時系列的な画像解析を行うと共に、ALP, Osteocalcin,BMP-2およびBSPやDSPをマーカーとしたin situ hybridization法にて組織内の移植象牙芽細胞の局在性および新生象牙質基質を病理組織学的に検討する。また形態学的にもCa親和性のカルセインを用い当教室既設の共焦点レーザー顕微鏡にて硬組織形成度を定量評価し、実際の臨床応用におけるタイミングの良い移植時期を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際学会での発表を予定していたが、研究内容に秘匿部分があり公開できなかったため旅費を使用しなかった。 また消耗品が予想よりも少なくて済んだため。 H26年度は、前臨床試験を行うため予定額を研究費に当てることとなる。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Properties of chitosan scaffold for pulp tissue engineering.2013
Author(s)
Ikeda T, Ikeda K, Yamamoto K, Yoshizawa Y, Sugimoto K, Ishizaki H, Yamada S, Yanagiguch K, Hayashi Y
Organizer
10th Asia Pacific Chitin & Chitosan Symposium
Place of Presentation
Yonago city(BigShip) , Tottori, Japan
Year and Date
20131005-20131009
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