2012 Fiscal Year Research-status Report
頸部リンパ節転移の治療のためのリンパ行性薬剤投与システムの開発に向けての検討
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24659884
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森 士朗 東北大学, 病院, 講師 (80230069)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 口腔癌 / ナノバブル / 超音波 / リンパ節転移 / 動物モデル / 分子導入 / 癌化学療法 / 癌治療 |
Research Abstract |
いわゆる有病者の口腔癌患者の治療において、臨床的に断定し得る明らかなリンパ節転移は認められないものの、原発巣の浸潤範囲や病理組織学的悪性度の観点から所属リンパ節の微小転移が疑われ、頸部郭清術や術後の放射線・化学療法が望まれるが、全身状態が不良であることから長時間の手術や術後の治療を断念せざるを得ない症例をしばしば経験する。このような患者の治療のために、所属リンパ節転移に対する根治的で低侵襲の癌治療法の開発が望まれる。本研究の目的は、我々が樹立したヒトと同等の大きさにリンパ節が腫大するリンパ節転移モデルマウス(MXH10/Mo/lpr系マウス)を用いることにより検証が可能となったリンパ管を介する癌化学療法の可能性を検討し、より侵襲の少ない口腔癌所属リンパ節転移に対するリンパ行性の癌化学療法の確立を目指すことである。これまで我々は、 リンパ管内に薬剤や実験腫瘍細胞を注入する経路として上流のリンパ節の髄洞が適していることを確認している。平成24年度においては、MXH10/Mo/lpr系マウスの腸骨下リンパ節を上流のリンパ節、腋窩リンパ節を下流のリンパ節として、腸骨下リンパ節の髄洞に蛍光色素を注入し、腸骨下リンパ節の輸出リンパ管から両リンパ節間のリンパ管を介し、腋窩リンパ節の輸入リンパ管へと流れ、腋窩リンパ節内に流入する蛍光色素を蛍光実体顕微鏡で観察し、腸骨下リンパ節の髄洞に留置したカテーテルに圧力トランスデューサーを接続することにより、リンパ管内に注入した薬液の流体力学的特性と動態を検討した。その結果、上流のリンパ節の髄洞内に適正な注入圧と注入量で薬剤を投与すれば、血行性に薬剤を投与した場合に比較し、下流のリンパ節内に少量の投与量であっても非常に高濃度の薬剤を超選択的に投与することが可能であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々が樹立したヒトと同等のリンパ節腫脹を示すMXH10/Mo/lpr系マウスを用いることにより、リンパ管内の流体力学的特性をリアルタイムで解析することが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
リンパ管内に注入した薬剤の標的リンパ節内での動態や超音波とナノバブルを用いた分子導入法による転移病巣の治療の可能性等について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、当初計画していたリンパ節転移モデルマウスの転移発症率の向上に関する実験を次年度に延期することによって生じたものであり、延期した実験に必要な経費として平成25年度請求額と合わせて使用する予定である。
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Research Products
(7 results)