2013 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺組織由来スフェロイド(STOS)を用いた唾液腺再生法の開発
Project/Area Number |
24659899
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杉浦 剛 九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (40322292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
碇 竜也 九州大学, 大学病院, 助教 (70380467)
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Keywords | 唾液腺再生 / Brachyury |
Research Abstract |
唾液腺の再生の為には唾液腺の再構成の培養技術と共に唾液腺が分化、機能形態形成してくる際に働く遺伝子および分子を明らかにし、これを再現することが必要になる。胎齢 13.5 日の胎仔マウスより顎下腺を摘出し、単一に分離した細胞を高濃度で I 型コラーゲンゲルやマトリゲル中に滴下しフィルター上で培養したところ、細胞塊より分枝形成、続いて管腔形成が観察できた。組織中の小葉では PAS 染色にて粘液の産生が確認され、免疫組織化学ではアクアポリン 5 の局在を認めたことにより、構造物は正常組織の Terminal Bud Stage 相当まで分化可能であることが示された。また、コラーゲンゲル中にフィブロネクチンを滴下することで、管腔形成は抑制され、分枝形成が促進された。 この培養系では、胎生期の顎下腺細胞はその構造を再構築する機能を持ち、胎生期の唾液腺分化過程をある程度再現できることが示され、この方法は組織再生の過程を考察するのに有効な手段の一つであると考えられた。さらに、細胞外基質蛋白およびその受容体蛋白の調節が再構築に重要であることから唾液腺幹細胞と間葉系細胞の相互作用の重要性が示唆される。近年、組織構築における上皮間葉移行の重要性が明らかにされ、その制御遺伝子・蛋白であるBrachyuryの関与が報告されている。胎齢 13.5 日の唾液腺原器ではBrachyuryの高発現が認められたが次第に発現が減弱した。Brachyury siRNAを用いてノックダウンを行うと唾液腺原器のcleft形成や分枝形成が有意に抑制された。このことからBrachyuryが発生初期のcleft形成や分枝形成に関与している可能性が示唆された。
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