2014 Fiscal Year Annual Research Report
若年性歯周炎原因菌に対するアンチセンス法を用いた分子標的治療の開発
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24659912
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
星野 倫範 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (00359960)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 若年性歯周炎 / ロイコトキシン / アンチセンスPNA / lktA / 膜透過型ペプチド / 細菌叢解析 / Aa菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、リジン-フェニルアラニン-フェニルアラニンの三回の繰り返し構造((KFF)3-)の膜透過型ペプチドを付与したAggregatibacter actinomycetemcomitans (Aa菌)の外毒素LPSをコードするlytA遺伝子を標的としたアンチセンスPNAを使用し、リアルタイムRT-PCRによる発現抑制に関する実験を行った。 この発現抑制に関する実験では、lytA遺伝子に対するアンチセンスPNAは、膜透過型ペプチド(KFF)3-を付与し、lytA遺伝子の開始コドン(ATG)から12塩基までのアンチセンス配列で設計したもの(aniti-lktA_12)を使用した。供試菌としては、Aa菌の標準的な性質をもつY4株と強毒株JP2株を用いた。その結果、3×10∧8 cfuの菌体に対して、20 μMのaniti-lktA_12を37℃、5%CO2存在下で1時間反応させたところ、PNAを反応させずに37℃、5%CO2存在下でインキュベートしたコントロールを1としたとき、JP2株では0.707 ± 0.01、Y4株では0.127± 0.01の発現量であった。しかし、この濃度の前後の低濃度あるいは高濃度ではlytA遺伝子の発現をむしろ少し促進する傾向も認められたので菌量あたりの至適濃度に関しては検討が必要である。また、タンパクレベルでの発現も解析するためにlktAタンパク(ロイコトキシン)に対する抗体およびlktA遺伝子のノックアウト株も作成した。 さらに、平成26年度は、Aa菌を持つ患者が若年層にどの程度存在するかを調べ、本研究の成果が創薬に役立った場合にどの程度の若年者に有効かを検討するために、とくに口腔清掃状態の悪い脳性麻痺のある患児に対して口腔細菌叢の調査し、その結果を第11回日本口腔ケア学会大会で発表を行った。
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