2013 Fiscal Year Annual Research Report
時期・組織特異的ノックアウトマウスを用いた咀嚼中枢・摂食中枢形成障害の機序解明
Project/Area Number |
24659913
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉田 教明 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40230750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 義之 長崎大学, 大学病院, 講師 (50175329)
井上 富雄 昭和大学, 歯学部, 教授 (70184760)
内海 大 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80622604)
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Keywords | 咀嚼中枢 / 摂食中枢 / 筋電図 / 顎運動 / 神経伝達物質 |
Research Abstract |
咀嚼中枢異常モデルマウスを対象に、咀嚼・嚥下運動時の3次元下顎運動ならびに咀嚼筋活動筋電図を記録し、咀嚼機能の生後発達の過程を分析した。また、実験動物用3DマイクロCT(R_mCT:リガク社製)の透視モードイメージングにより、嚥下造影(VF)を行い、全行程のビデオ・レントゲン撮影を行うことにより、咀嚼・嚥下時の食塊、舌、咽頭、喉頭の運動を同時に可視化することで、嚥下機能の生後発達についても解析した。その結果、健常マウスと比較し、咀嚼・嚥下リズムが不安定で、食品性状に合わせて筋活動や咀嚼・嚥下パターンを最適化する機構に障害を受け、非効率な顎舌運動を行うことがわかった。中枢においては、咀嚼中枢、すなわちセントラル・パターン・ジェネレータの神経回路形成に障害を受けた可能性と末梢においては、歯根膜機械受容器や咀嚼筋筋紡錘の発達が障害を受け、機械閾値の上昇が見られた可能性が示唆された。 咀嚼機能の発達における臨界期については、咀嚼中枢に障害を受けた後に、神経伝達物質を脳室内投与することにより、機能回復が起こるかを検証したところ、生後15週以内に臨界期が存在することが示唆された。今後、神経伝達物質を脳室内投与する時期を変えることにより、機能回復する時期を限定すれば、臨界期を特定できると考えられる。 摂食中枢異常モデルマウスの解析については、きわめて不安定な顎運動が記録され、咀嚼中枢と摂食中枢を構成する神経回路が相互連絡し、協調して活動している可能性が示唆された。今後、これらの神経回路の協調機構を解明することが、咀嚼中枢や摂食中枢障害発症の機序の解明につながるものと思われる。
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Research Products
(7 results)