2012 Fiscal Year Research-status Report
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24659918
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
新谷 誠康 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (90273698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 敦朗 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (90431759)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | DMP1 / 分子進化 / 進化医学D |
Research Abstract |
Dentin Matrix Protein 1 (DMP1)は主に骨細胞や象牙芽細胞で産生され硬組織の石灰化に関与する細胞外基質タンパク質である生体で重要な機能を有すると考えられるDMP1であるが、一方で進化速度が速い(アミノ酸配列が変化しやすい)という、分子進化学的に矛盾した分子である。本研究では両生類のアフリカツメガエル (Xenopus laevis ; X. laevis)におけるDMP1のクローニングと遺伝子の構造解析および発現解析を行い、羊膜類のそれと比較することによって分子進化学的にDMP1の特徴の解明を試みている。得られた塩基配列より推定されたDMP1のアミノ酸配列は哺乳類や爬虫類と比較して相同性は低いものの、推定されるタンパク質等電点、アミノ酸構成比率や性質は既知のDMP1と酷似していた。相同性の低さはDMP1が進化速度の非常に速い分子であることを再認識させるものであった。一方で、このタンパク質の重要なクリベージサイト周辺やC末端の部位は保存されていた。RT-PCRでは顎骨、脛骨、大腿骨骨頭においてDMP1が特異的に強く発現していた。この結果は羊膜類の骨や哺乳類の歯で報告されているDMP1の発現様式とほぼ一致していた。以上のことから、改めてDMP1が進化速度が速い分子であることが確認された。従って、DMP1はアミノ酸の配列よりもアミノ酸構成やそれによって生み出される生化学的性質が重要な分子であることが推測される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画の内容の8割方を終えている。すなわち、X. laevisの顎骨よりトータルRNAを抽出し、cDNAを合成後、既知の動物のDMP1塩基配列をもとに作製したプライマーを用いてPCRを行い、その産物をシークエンスすることによって、X. laevis DMP1のcDNA塩基配列を得た。また、別にクローニングしたゲノム塩基配列とcDNA塩基配列を比較することにより、DMP1遺伝子の構造を明らかにした。次に心臓、肺、胃、肝臓、腎臓、小腸、顎骨、脛骨、骨端骨、筋肉の各組織よりトータルRNAを抽出し、DMP1の臓器別発現をリアルタイムPCR(RT-PCR)により検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の残りを遂行するとともに、さらに、発現の詳細な研究を行うべく、in situ hybridizationを遂行しテイク予定である。また、国内、国外の学会発表を行うとともに、英文による誌上発表を計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
in situ hybridizationの費用。 国内、国外の学会発表の旅費。 英文による誌上発表の掲載料。
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