2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24659920
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長崎 幸夫 筑波大学, 数理物質系, 教授 (90198309)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 活性酸素 / 安定ラジカル / PICフラワーミセル / インジェクタブルゲル / 局所炎症モデル / 歯周病 |
Research Abstract |
本研究では①ポリカチオン-PEG-ポリカチオンのABAタイプブロック共重合体とポリアニオンやエステラーゼのようなアニオン性タンパク質を複合化し、フラワーミセルを作製する。②ポリカチオン部に触媒に活性酸素を消去するニトロキシドラジカルを結合し、抗酸化特性を導入する。③複合体の最適化を行い、歯周ポケット内環境でゲル化する材料設計を行う。と言う流れで歯周病に対する新たなナノ治療にアプローチする。本年度の成果を以下にまとめる。 1.ブロック共重合体の合成:目的の材料を作製するため、二段階の合成反応を行った。ラジカルテロメリゼーション反応により両末端チオールPEGからクロロメチルスチレン(CMS)を重合させ、様々な鎖長のPCMS-b-PEG-PCMSを合成する。このクロロメチル基に4-アミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(4-アミノTEMPO)をアミノリシス反応で導入し、ニトロキシドラジカルを有するABA型ブロックポリマー(PMNT-b-PEG-PMNT)を合成した。 2.フラワーミセルの設計:上で合成したABAトリブロックポリマーと市販ポリアクリル酸、エステラーゼ等とのポリイオンコンプレックス(PIC)フラワーミセルを作製した。鎖長を変化させ、安定性とゲル化能を評価した。 3.得られたフラワーミセルによるゲル化試験:in vitroおよびin vivoによるゲル化試験を行い、2分以内にゲル化することを確認した。 4.局所炎症モデル評価:カラギーナン誘発局所炎症モデルを作成し、PICフラワーミセルによる抗炎症効果を評価し、高い効果を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度は材料合成、粒子作成を目標としたが、ゲル化および局所炎症モデルの評価まで進み、計画以上の進展があった。このペースで研究を進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
実際の歯周病モデルの作成と目的へのアプローチをするとともに、酵素内包フラワーミセルを目指し、新たな設計を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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