2013 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原細菌の感染と歯科インプラントの安全性に関するコホート研究
Project/Area Number |
24659924
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高柴 正悟 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50226768)
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Keywords | 歯周病 / 歯周病原細菌 / 口腔インプラント |
Research Abstract |
口腔細菌の感染症への配慮が少ない中で,口腔インプラント治療が行われている状況である。 したがって,この感染によってもたらされるインプラント周囲炎を予防するために,インプラント周囲を含む口腔全体の細菌叢の管理が重要な因子となる。 この検証のために多施設参加型マルチセンター型コホート研究を計画し,昨年度には「口腔インプラント施術予定患者を対象とした,歯周病原細菌に対する血漿IgG抗体価検査を取り入れたインプラント施術前後10年間にわたるインプラント評価」という研究デザイン企画案を作成した。 今年度は,これを元にして研究デザインを具現化するために,種々の観点から臨床研究プロトコールとして完成させるために,幅広く情報を収集してきた。 その際には,健康医療評価研究機構での「臨床研究の道標」に沿った検討を重ねた。 この検討によって理想的な臨床研究デザインを構築した一方で,研究期間,調査対象者数,費用と労力,さらには導き出される効果に関しても,歯周病および口腔インプラントの治療に関係する者との間で検討を重ねた。 その結果,パイロットスタディでの結果を示すことによって,研究賛同者を得るために説得するデータを必要とすることがわかった。 一方で,この観点から小規模な調査研究を実施している若手研究者と交流を重ねた。 歯周病が原因で歯を喪失した患者で,口腔インプラント治療を勧められたあるいは口腔インプラント治療を受けた患者では,歯周病原細菌の感染の'検査に興味ある者が存在することが分かった。 特に,口腔インプラント周囲炎を起こしている患者では,その希望が強かった。 以上のことから,比較的少数の機関によるマルチセンター研究であっても,口腔インプラントの予後に関する安全性を知るために,歯周病原細菌の検査に興味がある患者を集め易いことが分かった。 今後は,研究デザインを変更して,臨床研究を実施することになる。
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