2012 Fiscal Year Annual Research Report
AP-1によるカテプシン産生制御に着目した歯肉増殖症・歯周病診断の新機軸
Project/Area Number |
24659926
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
成石 浩司 岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (00346446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 泰典 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (60137536)
帖佐 直幸 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (80326694)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 歯肉線維芽細胞 / カテプシン / 歯周炎症 / プロテアーゼ / インターロイキン1 / インターロイキン6 / gp130 / JNK |
Research Abstract |
IL-1β、TNF-αやIL-6などの炎症性サイトカインは、様々な慢性炎症性疾患の病態を制御することが知られている。今回、歯肉線維芽細胞(GF)を標的として、IL-1βとIL-6の相互作用による歯周炎症の病態機序,とりわけCathepsin産生性の制御を明らかにすることを目的とし、研究を遂行した。 IL-1βは、IL-6のシグナル伝達分子gp130の発現をmRNAおよびタンパクレベル供に有意に亢進した。IL-1βは、GFのIL-6産生性を有意に亢進した。また、IL-1βで前処理されたGFにおいて、IL-6/sIL-6R誘導シグナルは有意に増強された。GFは細胞膜上にIL-6Rを発現しない。そのため、このIL-6/sIL-6R誘導シグナルの亢進は、IL-1β誘導性gp130の発現亢進による。IL-1βで前処理されたGFにおいて、IL-6/sIL-6R誘導性MMPs、IL-1raおよびIL-33 mRNA発現は有意に亢進した。Timp群mRNAに有意な発現亢進は認められなかった。タンパクレベルでは、IL-1βで前処理されたGFにおいて、proMMP-1、Cathepsin L、 IL-1ra、MCP-1、bFGFおよびVEGF発現が有意に亢進した。分化THP-1においては、IL-6刺激がsIL-6R産生性を有意に亢進した。 一方,IL-6誘導性カテプシン産生を制御するカベオリンにも着目し,歯周炎組織のカベオリン産生性を病理組織学的に検討した。その結果,カベオリンは歯周炎組織に有意に強く発現することも分かった。 以上の結果から、IL-1βとIL-6はGFに作用して、gp130の発現亢進を介し、Cathepsinなどのプロテアーゼやサイトカインの産生を亢進することが示唆された。また,歯周炎組織にはCathepsin産生を制御し得る様々な因子が存在することも明らかになった。
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