2012 Fiscal Year Research-status Report
歯間乳頭を再建するための槽間中隔型インプラントの開発
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24659928
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
西田 哲也 日本大学, 歯学部, 助教 (10287659)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / アメリカ / 歯間乳頭 / 再生 / 槽間中隔型インプラント |
Research Abstract |
当研究課題である『歯間乳頭を再建するための槽間中隔型インプラントの開発』の平成24年度研究実績は以下の通りである。 1 再建を必要とする歯間乳頭の形態の調査。歯間乳頭を形成する歯槽骨の槽間中隔の標準的な三次元的形態を調査するため,約30名分の歯科用CTデータを用い調査を行い,設計デザイ ンの参考とした。2 槽間中隔型インプラント体製作メーカーの選定。複数の医療器材メーカーを候補に挙げ、技術的ならびに特許に関わる契約上の観点から、福島県所在の東北リズム株式会社を選定した。3 作製素材ならびに表面性状の検討。素材はグレードIVの純チタンとし表面性状は機械研磨面とした。4 槽間中隔型インプラント体の設計。1 で調査した槽間中隔の三次元的形態を参考に基本設計デザインを作成し、サイズの異なる3種類のインプラントを作製した。より多くのケースに対応するため、ボディ部ならびに脚部の形態について,物理学的ならびに生物学的な観点と施術の操作性を考慮した形態になるように工夫を施した。ボディ部は頂点までの立ち上がりが急である側と緩やかである側を持つ偏心構造とし、中央には組織が陥入しやすいように小孔を付与した。組織を支える側面は厚く、中央付近は薄くすることで槽間中隔型インプラントの頂点が歯肉を貫通しにくくなり、組織の厚みが取れるよう配慮した。脚部は2本足とし、骨に直接打ち込めるよう鋭利な先端とした。また、それぞれは異なった形態となっているため、設置し直す場合に向きを反対にすることで骨内に保持されるよう工夫を施した。5 槽間中隔型インプラント体の試作ならびに試験埋入。考案された設計を基に,3種類の槽間中隔型インプラント体をそれぞれ5個試作し,顎模型を用いて操作性や強度の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
歯間乳頭を形成している歯槽骨の槽間中隔の形状を約30名分の歯科用CTデータを基に調査した結果、槽間中隔型インプラントの基本構造を作成し、サイズの異なる3種類を試作した。その結果、槽間中隔が喪失しているおよその症例に対し対応可能であることが判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
試作された3種類の槽間中隔インプラントを用い、動物実験にてその安全性や使用方法、有用性を確立する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度の旅費の予算が250,000円に対し、決算は28,100円であった。これは、槽間中隔型インプラント試作に際し、海外のインプラントメーカーを予定していたが、国内のメーカーに変更となったために、旅費が安価であった。一方、試作費用においては、予算650,000円に対し、決算は870,000円であった。これは、設計段階で微細な構造を付与する案件が増えたため、試作費用が高騰した。差し引き1,900円の残金は、次年度の動物実験に要する実験動物・飼育費用に充てる予定である。
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