2013 Fiscal Year Research-status Report
唾液由来鎮痛物質による新たな顎顔面領域の慢性疼痛制御理論の確立
Project/Area Number |
24659932
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庄司 憲明 東北大学, 大学病院, 講師 (70250800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹野 高嗣 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (10125560)
杉本 是明 東北福祉大学, 総合福祉学部, 教授 (30361158)
小嶋 郁穂 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80447169)
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Keywords | 唾液由来鎮痛物質 / 痛みストレスマーカー / シアロルフィン / オピオルフィン / 慢性痛 |
Research Abstract |
最近、非定型歯痛、舌痛症および顎関節症などの慢性痛患者は増加傾向にあり社会問題となっている。しかしながら、慢性痛に対する治療法は確立されておらず、診断および治療法の開発は急務であり責務である。近年、パスツール研究所の研究員により、ラット唾液からモルヒネの約3~6倍の鎮痛効果があるシアロルフィンが発見された。さらに、2006年11月、ヒト唾液内からシアロルフィンと同様の鎮痛作用を持つオピオルフィンが発見された。しかしながら、いまだこれら唾液由来の鎮痛物質が慢性痛にどのような効果をもたらすかについては明らかにされていない。また、これらの鎮痛効果の評価はラットの行動薬理学的評価であり、疼痛そのものを評価していない等の問題があるため、シアロルフィンおよびオピオルフィンを臨床に応用するためには、鎮痛効果の判定(定量)が不可欠である。そこで本研究では、我々が痛みストレスマーカーになることを発見した視床下部CRH (Corticotropin Releasing Hormone)遺伝子、下垂体POMC(proopiomelanocortin)遺伝子(以上、ストレス関連遺伝子)、三叉神経節P2X4レセプター遺伝子(慢性疼痛原因遺伝子)を指標としてシアロルフィンとオピオルフィンの鎮痛効果を定量的に評価することを目的とした。 平成25年度は、慢性痛ストレスに対する視床下部の応答を詳細に検討するために、視床下部 (PVN) のCRH および脳下垂体のPOMC 遺伝子を指標として神経結紮におけるこれら分子の遺伝子発現を解析した。その結果、神経結紮3日以降に閾値低下が見られ、その時、CRH hnRNA発現にほとんど変化が無かったがCRH mRNAおよびPOMC mRNAは増加した。この結果より、CRH mRNAとPOMC mRNAの遺伝子発現を指標として唾液由来鎮痛物質の鎮痛効果を客観的に評価する事が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
慢性痛モデルに対し、客観的に痛みストレスを評価できる分子が確定したため、唾液鎮痛物質の鎮痛効果について行動学的評価と同時に評価できる段階にある。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はシアロルフィンおよびオピオルピンの慢性痛に対する鎮痛効果をさらに詳細に検討するため、血漿ACTHおよびcorticosteroneを評価項目に加え検討する。また、ホルマリンテストによる急性痛モデルについても同様に検討し、慢性痛と急性痛の相違を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年3月に動物実験を行う予定であったが、研究分担者との日程調整がつかず、本年度実験を行うことしたため動物購入代金として予定していた額を次年度使用額とした。 本年度、予定している動物実験の動物購入代金として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)