2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24659934
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
森田 学 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40157904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江國 大輔 岡山大学, 大学病院, 講師 (70346443)
友藤 孝明 岡山大学, 大学病院, 講師 (80335629)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 通電刺激 / 歯周組織 / コラーゲン分解 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
Wistar系雄性ラット24匹を用い,対照群,歯周病群,歯周病+50μA通電刺激群,および歯周病+100μA通電刺激群に割付けた。刺激を4週間継続した後,歯肉のコラーゲン分解酵素であるMMP-2,MMP-3,MMP-8,MMP-9,およびその阻害因子であるTIMP-1,TIMP-2,TIMP-3の遺伝子発現量を測定した。また,骨代謝関連因子の評価としてRANKLとOsteoprotegerinの発現を評価した。さらに,歯根膜における増殖因子であるFGF-2およびTGF-βの発現を評価した。 その結果,0 μA群の歯肉組織におけるMMP-3,MMP-8,MMP-9,TIMP-2およびTIMP-3の遺伝子発現は,対照群と比べて2倍以上高い値を示した。50 μA群と100 μA群のMMP-3,MMP-8,MMP-9,TIMP-2およびTIMP-3の遺伝子発現は,いずれも0 μA群と比べて半分以下だった。歯槽骨表面において,0 μA群のRANKL陽性細胞数は,対照群よりも多かった。50 μA群と100 μA群におけるRANKL陽性細胞数は,0 μA群と比べて少なかった。一方,歯槽骨表面上のOsteoprotegerin陽性細胞は,群間で有意差はなかったものの,電流の大きさに伴い増加する傾向を示した。歯根膜におけるFGF-2陽性細胞の発現率(総細胞数に対する陽性細胞数の比)は,対照群よりも0 μA群で高かった。50 μA群と100 μA群のFGF-2陽性細胞の発現率は,0 μA群よりもさらに高い値を示した。同様に,50 μA群と100 μA群のTGF-β陽性細胞の発現率も,0 μA群よりも高い値だった。 以上のことから,通電刺激により,コラーゲン分解や破骨細胞の分化が抑制されるとともに,破壊された歯周組織の再構築が促進されることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験に熟知した研究者によって組織されたため,微小な変化を捉えることが可能であった。 通電刺激の時間や強さを,あらかじめ予備実験で確認していたため,ポジティブな結果を得ることができたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
FGF-2およびTGF-βの評価について,残りの試料を用いて再確認する。また,ヒトを対象とした臨床研究への応用性についても検討したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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