2012 Fiscal Year Research-status Report
口腔清掃が困難な状況下における口腔環境変化とガム咀嚼による口腔環境改善効果の解明
Project/Area Number |
24659935
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
嶋崎 義浩 九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (10291519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 喜久 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20192403)
竹下 徹 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50546471)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 歯学 / 口腔清掃 / 口腔環境 |
Research Abstract |
現在、日本では9割以上の人が毎日歯を磨いており、口腔清掃は人々の生活習慣として定着している。しかし、非常時や職務上口腔清掃が困難な状況下になると口腔環境が悪化することが懸念される。口腔清掃不良になると歯垢の量的な増加が起こるが、口腔細菌構成の質的な変化や唾液の分泌、口腔の不快感によるストレスへの影響など明らかにされていないことも多い。本研究では、口腔清掃が困難な状況下における口腔環境の変化について明らかにすることを目的の1つとしている。また、ガムは一般的な食品であるが、キシリトール配合などう蝕原性の低いガムが市販されており、口腔清掃困難時にガムを継続的に摂取することが口腔環境の変化に対する改善効果を持つのかを解明することもまた本研究の目的である。 本年度は、一定期間口腔清掃が困難な状況におかれる陸上自衛隊長期演習に参加する20歳以上の者で本研究参加に同意が得られた者を対象として、訓練開始前に口腔内診査を行うとともに口腔の自覚症状や日常の口腔清掃習慣について質問紙調査を行い、さらに演習直前にガム咀嚼刺激唾液の採取を行った。その後、対象者を演習期間中にガムを咀嚼する介入群と咀嚼しない非介入群に無作為に2群に割り付け、訓練終了直後に介入群・非介入群の対象者から刺激唾液の採取および口腔の自覚症状、訓練期間中の口腔清掃頻度についての質問紙調査を行った。その結果、介入群では非介入群に比べて訓練直後の口腔の自覚症状が少ない結果が得られた。今後の研究により、訓練前後の唾液中の総細菌数の変化や口腔細菌構成の変化について明らかにすることができれば、口腔清掃が困難な状況下においてガムを噛むことが口腔環境の改善や口腔の不快感の抑制に有効であることを示すことができると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、一定期間口腔清掃が困難な状況におかれる陸上自衛隊長期演習に参加する者を対象として、訓練開始前に口腔内診査を行うとともに口腔の自覚症状や日常の口腔清掃習慣について質問紙調査を行い、さらに演習直前にガム咀嚼刺激唾液の採取を行った。演習期間中にガムを咀嚼する介入群と咀嚼しない非介入群の訓練前後の口腔の自覚症状の変化を比較することができ、口腔清掃が困難な状況下でガムを噛むことは口腔の不快感の抑制に有効である結果が得られた。このことは、ガム咀嚼による口腔環境改善の効果の一部分を示しているが、唾液中のストレス成分や総細菌数、口腔細菌構成の変化についての分析を行うには至っていないために、それらの分析を早急に進めて行くことが次年度の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年後は、陸上自衛隊長期演習参加者から得られた質問紙調査の結果の分析が主であったが、今後の研究では、対象者の訓練前後に採取した唾液中のストレスマーカー、総細菌数および口腔細菌構成の分析を行い、その結果からガム咀嚼介入群と非介入群それぞれの唾液中の各種測定指標、分析データの変化を比較する。その結果をもとに、口腔清掃が困難な状況下においてガムを咀嚼することが、口腔の不快感だけではなく口腔細菌の数や構成の変化に対しても影響を及ぼすのかを明らかにしていく予定である。本研究の成果から、ガムを噛むことは口腔環境の改善や口腔の不快感の抑制に対して効果的であるか否かを示すことができると思われる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、唾液中の各種成分の解析や、唾液中の総細菌数、口腔細菌構成に関する分析を進めていくことから、実験試薬や測定試薬、実験に用いるプラスチック器具やガラス器具などの物品費に研究費を使用する割合が高まると考えている。また、次年度新たに陸上自衛隊長期演習が行われる場合には、演習参加者に対して同様の調査を行う可能性があり、その際には調査に必要な物品費等を必要とする。 また、本研究により得られた結果を国内外の学会で発表するための旅費や、学術雑誌に投稿するための諸経費として研究費を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)