2012 Fiscal Year Research-status Report
嚥下中の体幹筋群の役割の解明と介助用下肢ロボットスーツの嚥下訓練応用の可能性
Project/Area Number |
24659936
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鮎瀬 てるみ 長崎大学, 大学病院, 助教 (00284703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮎瀬 卓郎 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20222705)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 嚥下 / 体位 / 呼吸機能 |
Research Abstract |
本研究は、嚥下中の各相において、体幹を保持する筋肉群と下肢の骨格筋がどのような働きをしているかを詳細に測定・検討し、これらの筋群の機能異常が嚥下障害の発症の因子となりうるかを解析することを目的としている。さらに体幹筋群の働きが減少している患者の機能補助のために介護用の下肢のロボットスーツを装着させ、患者の嚥下機能が改善するかを検討し臨床応用の可能性について検討する発展的目的もある。嚥下中に評価する項目は、①嚥下中の呼吸相と嚥下相の協調的同期、②各嚥下相でのオトガイ舌筋などの咽頭部筋電図の評価、③体幹筋などの筋電図の評価とし、若年者(20歳代)と高齢者(65歳以上)に分けて研究を行う研究計画としている。 まず初年度の24年度は、研究に使用する筋電図の機器の整備を行い、健康若年被験者を対象に各筋群の嚥下中の筋電図を予備実験で測定した。その結果、筋電図だけでは嚥下の経時的連続的な嚥下各相の時間計測ができず、嚥下相の正確な評価のために、High resolution manometryを使用する測定方法を新たに追加し、現在、機器のセットアップを準備している。耳鼻科が有する機器を借用して測定を行い、光学治療部で新たに購入するmanometryを使用する予定である。 また、初年度はいくつかの嚥下体位により嚥下に関連する筋群の作用と呼吸機能(1回換気量、機能的残気量など)が異なるかを検討するために、座位、側臥位、立位で筋電図測定を行い、体位変換の前後には換気量計で各呼吸指標の評価を行った。その結果、側臥位では座位に比べて残気量などの変化は無かったが、立位では機能的残気量が増加した。さらに側臥位や座位から立位に体位変換した場合、換気量が増大し、肺胞気二酸化炭素分圧(PACO2)が低下する傾向が認められた。65歳以上の高齢者の被験者を対象にして研究を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究室の移転により、実験機器の再配置、測定環境の整備などに時間を要し、研究開始が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り実験プロトーコールを行う予定であるが、研究計画の進捗度が遅れているため、当初の予定より実験日を増やして研究データの測定を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は、短期間に集中して研究を行うために、予定した研究計画通りに行なっても、消耗品経費、研究協力金などに支出する予定である。
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