2012 Fiscal Year Annual Research Report
病床管理の質安全保証をめざす看護管理知識を用いたICU適用判断ロジックの構築
Project/Area Number |
24659943
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水流 聡子 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80177328)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ICU / ICU適用判断ロジック / 患者アセスメント / 病床管理 / ベッドコントロール / 患者状態 / リソース配分 / 医療の質 |
Research Abstract |
複数病院のICU関係者へのヒアリングと業務観察を行った.入室に関しては医療者の中である程度想定されたモデルがあるが、退室に関しては様々な要素が複雑に関係しており、どのような患者状態のときにどの病室に退室させるという判断基準が明確化されていないという知見が得られた。 退室管理を適切に行うために最も重要な要素は、ICUに在室している患者のうち、どの患者を退室させるべきかを適切に判断することである。そのため、退室判断を適切に行うための退室管理モデルの枠組みを,Phase1:患者状態個別評価,Phase2:退室優先度相対評価,Phase3:退室先状況評価と設定した.Phase1のアウトプットを導出するためツールとして、ICU適用判断ロジックを構築した.このツールには,どのような患者情報をいかに評価するか、またそれらの情報からどのようなアルゴリズムで適用かを判断するかという2つの要件が成立させるため「患者アセスメント表」と「判断ロジック」を開発した. 患者アセスメント表は,医療者が当該患者にICU適用を判断する際に着目すべき項目およびその評価方法を定めたものであり,ICU病床機能項目の明確化・患者診療ニーズ項目の明確化・項目の選定及び評価軸の設定,の手順で進める.判断ロジックは,どのようなアルゴリズムで適用かを判断するかについてのアウトプットであり,医療者の思考ロジックを構造化したものである。患者アセスメント表の評価結果をinputとして、医療者がどのような組み合わせや順番で評価を行っているかを、ICUに在室している患者に対しての事例分析により,表やフローチャートとして可視化し、ロジックのたたき台を作成した上で、ヒアリングや事例適用によってブラッシュアップを行った。 ICU適用判断ロジックの妥当性の検証と有用性の検証を,1000床を有する大規模急性期病院で実施し,両者が認められた.
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