2013 Fiscal Year Research-status Report
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24659951
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
中山 洋子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (60180444)
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Keywords | 看護学 / 看護実践能力 / キャリア後期 / 看護師 |
Research Abstract |
本研究は、長い臨床経験を持ち、熟練した判断と技を持ったキャリア後期看護師の仕事の継続によって看護師不足の解決を図ろうとするものである。本年度は、先進医療や急性期医療を提供している総合病院のうち、看護師の平均年齢が30代半ばになっており、キャリア後期看護師が多く働いていると思われる病院の看護部長にインタビューを行い、その実態からキャリア後期看護師の特徴を把握することをめざした。 その結果、急性期治療が中心になることから、病棟でスタッフとして就労している50代後半のスタッフ看護師の数は少なく、56歳くらいで早期退職する看護師が多いこと、また現在、就労していても一度退職し、再雇用の看護師として外来に勤務していることが明らかになった。退職の理由としては、50代半ばを過ぎると夜勤が身体的に厳しくなること、老眼など体力的な衰えもあってこれまで通りの実践ができなくなったこと、複数の親の介護などにより、家庭と仕事の両立が難しくなっていることなどが挙げられている。看護管理者から見て人間関係が良く、実践能力が高い看護師ほどチームの中で自分の置かれている状況がよくわかるので、辞めていくケースが多いと語っていた。また、仕事への満足感が大きいほど50代半ばで仕事を辞め、これまでできなかった家事や家族の世話をすることを選ぶが、反対に、周囲のことは気にせずにマイペースで仕事をしてきた看護師は、外来等でこれまで培ってきた看護技術を生かしながら仕事を続けることを選ぶ傾向にあることが明らかになった。 今後は、数は少ないが、高い実践能力をもち、病棟でスタッフとして仕事を継続しているキャリア後期看護師のインタビューを通して、実践能力の評価方法と能力活用の問題を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成25年度は、国内の協力病院の看護管理者およびキャリア後期看護師のインタビュー調査を終え、実践能力を評価する方法を決定する予定であったが、看護管理者のインタビューの内容を分析すると研究者らが想定していなかった状況が明らかになった。こうしたことから、先進医療や急性期医療を担う総合病院のキャリア後期看護師の実態の調査のみならず、長期療養型の医療を提供している病院で働く看護師についても調査をしていく必要が出てきた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度中に研究を終える予定であったが、約8ヶ月調査期間を延長し、インタビュー調査を継続していく予定である。研究の進捗状況として実践能力を評価する方法を決めることができない状況があることから、インタビュー調査および内容の分析がある程度進んだ段階で、インタビュー調査と並行して実践能力の評価方法の検討に入り、キャリア後期看護師の実践能力の特徴を明らかにしていくこととする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
キャリア後期看護師の実践能力を評価する方法の開発が遅れているために、国外を含めた調査旅費や調査データの処理等に係る費用を残している。 物品費 77,915円(書籍、USBメモリ、文房具等)、旅費 1180,000円(国外旅費 600,000円 国内旅費 580,000円)、人件費・謝金等 200,000円(謝金 120,000円 アルバイト料 80,000円)、その他 250,000円(郵送費50,000円 テープ起こし80,000円 翻訳料120,000円)を使用する計画を立てている。
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