2014 Fiscal Year Annual Research Report
外国人看護師の頭脳還流とキャリア開発の関係性に関する研究
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24659958
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
成瀬 和子 東京医科大学, 医学部, 教授 (70307122)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Return migration / EPA看護師候補生 / Nurse migration / 国際情報交換 / インドネシア |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度:計画したWEB調査に加え、インドネシアの日系クリニックで働くEPA元候補生に調査票を配布留め置き法で回答を依頼した。その結果21名とWEB回答4名の計25名の回答を得た。彼らは日本での研修で日本人の規律、職業倫理などの仕事に対する態度を理解・体得し、それを現在の職場で生かして看護の質の向上につなげていることがわかった。日本での研修では、元候補生は侵襲度の高いケアは実施できないが、看護の根拠を科学的に伝えていき看護の質を高めていくように働きかけることで学べることは多々あり、それを帰国後に伝授していくことでインドネシアの看護の質に貢献していた。したがって日本での研修では、看護技術や知識のみならず看護の科学的根拠、理論をもとにした看護のあり方を指導していくことで、看護の質を上げていく方法を学べるようにする工夫が必要であろう。 研究機関全体の成果:インドネシアでは学士卒業時のコアコンピテンシー23項目を定めており、加えて日本で得られたコンピテンシーとして「職業倫理規範に基づき規律を持って業務をおこなう」ことがあった。またコアコンピテンシーである「民族的・文化的要素を尊重したケアを提供できる」、「クライエントの健康ニーズ充足を様々な側面で協力できる」、「看護サービスを強調して実施できる」能力は日本研修において強化されたと考えられる。EPA元候補生はそれらの能力を、帰国後業務を通じて他の看護師へ伝播する活動をしていたが、これらのReturn migrationの現状は初めて明らかになったことである。 しかし彼らは、日本ではコアコンピテンシーの能力強化につながるような経験はほとんどしていない為、研修を有益にするためには健康教育の実施や看護研究への参画などを通じて、看護を科学的に振り返り、コアコンピテンシーを強化できるように支援していくことが大切である。
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