2014 Fiscal Year Research-status Report
脳の可塑性に有効な手浴方法の開発とその脳生理学・心理物理学的検証
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24659967
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
永井 あけみ 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (30570022)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 手浴 / ハンドマッサージ洗い / 40℃湯 / 唾液アミラーゼ / 指示外転距離 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、脳の可塑性に有効な手浴方法の開発とその有効性を脳生理学的・心理物理学的に検証する事にある。本年度は、本研究のテーマである手浴の4つの要素の内、①「40℃の湯に非利き手を5分間浸ける」、②「40℃の湯中で非利き手を5分間マッサージ洗い」の2つに要素をしぼり、対象を2群に分け、それぞれ健常者4名ずつで予備実験を行なった。結果として、血圧は②群が実施後で若干低下したが、有意差はなかった。唾液アミラーゼによるストレス値計測は、実施条件として実験1時間前から絶飲食としたが、①群で実験前に飲食をしていた被験者のアミラーゼ値が高く、結果的に①・②群の値で有意差はなかったが、患者に本実験を実施する場合での条件遵守注意事項として課題が残った。 当実験では対象が健常者であり、手指角度計測では最も結果が明確に出ると思われる示指外転距離の変化についてのみ実施前・直後・1時間後で計測を行なった。有意差はなかったが、直後で②群の示指外転距離が①群より若干伸びが良く、P=0.08の結果を得た。被験者数を増やす事で更に良結果が得られる事も考えられる。当実験の結果は、本年4月にタイで行われたChristian University主催の International Conference にてResearch Presentationを行なった。 尚、本研究者が院生として所属する九州工業大学大学院生命体工学研究科において、KINECT for WindowsとノートPC13X7000-i7-SSBを用い、手関節と5本の手指関節可動域を瞬時に計算して提示できるソフトを開発していたが、使い易さでLeapに変更し、現在そのソフト開発の継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
26年度は計測の信頼度を高めるため従来の手指角度計を用いず、手関節と手指関節可動域を瞬時に計算提示するLeapを用いて実験の予定であったが、画像がロボット的で患者を対象とする使用には向かない事がわかった。また、関節可動域を瞬時に計算し提示する段階までソフト開発が進んでおらず、現在その開発の最終段階まで到達している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の計画としてまず前期に健常者を対象とした予備実験で、購入した簡易脳波計Brain Pro-Light 「FM828」と万能脳波センサーエンフレックを使用し、被験者達と親しい人がハンドマッサージを行なった場合と未知の人が行った場合の脳波の違い、唾液アミラーゼ計測によるストレス度の変化を観る。 後期は患者を対象に万能脳波センサーエンフレックスを頭部C3又はC4に配置し、ミュー律動の分析と関節可動域測定のためのLeapを用いて患者の麻痺手の回復状態を検証する。 尚、患者に対する唾液アミラーゼによるストレス度計測は、嚥下障害及び認知症のあ る場合は実施しない事とし、実施できる状態であれば実験前1時間の飲食はしないよう協力を得る。
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Causes of Carryover |
26年度は計測値の信頼度を高めるため、KINECT for Windows 等を用いて手関節と手指関節可動域を瞬時に計算して提示するソフトを開発し実験する予定であった。使いやすさでLeapを使用する事としたが、写した手の画像がロボット的で、対象とする高齢な患者に対し使用は向かない事と関節可動域を瞬時に計算して提示する段階までソフト開発が進んでおらず、手浴実験と論文発表に遅れが出たため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究を進めるにあたり、ミュー律動解析のため脳波解析プログラム「パルラックスライト」を購入(101,000円)。手浴実験に使用していた自動温度設定できる「冷え取り君」故障のため、再購入予定(42,00円)。研究補助者および被験者への謝金(450,000円)。実験受け入れ病院までの交通費(2780円×42往復×2人=233,520円)。英語論文校閲謝礼(3000円×15P=45,000円)。論文投稿料(100,000円)。日本脳神経看護研究学会参加費(70,000円交通費込み)予備費(137,813円)
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Research Products
(1 results)