2013 Fiscal Year Annual Research Report
看護師の「市民目線に立ったケア」を育むリフレクションプログラムの開発
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24659970
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
高橋 恵子 聖路加国際大学, 看護学部, 准教授 (90299991)
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Keywords | 市民目線 / リフレクション / プログラム開発 / 臨床看護師 / 継続教育 / 看護教育 / People Centered Care |
Research Abstract |
本研究は、看護師の「市民目線に立ったケア」を育むために、市民の健康相談(普段の看護師と患者の関係性とは異なる視点がもてる地域ケア)の体験を用い、看護師が当然と考えてきた患者理解とケアの振り返りを促す、リフレクションプログラムを作成し、その実施と評価を行う2ヶ年計画の研究であった。 初年度である平成24年度は、プログラム作成を目的に、リフレクションに関する文献、またリフレクションの専門家による情報収集、さらに看護師10名の研究協力を得てリフレクションプログラム内容と方法の検討を行った。 最終年度である平成25年度は、前年度の結果から、「市民目線に立ったコミュニケーションケア」を育むリフレクションプログラムを作成した。プログラム内容は、①市民の健康相談活動を1日体験する、②相談体験後、個人ワーク(相談時のプロセスレコード、リフレクション用紙を記入)を行う、③個人ワーク後、グループワーク(市民健康相談の体験メンバーたちと「市民目線に立ったコミュニケーションケア」というテーマで、体験からの気づきと学びを共有する)を行う、ものであった。プログラム評価における調査方法は、プログラム参加者に、質問紙調査とインタビュー調査を実施した。研究協力者は、看護師11名(女性9名、男性2名)で、平均年齢は43.5歳であった。調査結果から、プログラム参加後、「市民の生活背景を知る機会になった」、「市民のとらえ方を知る機会になった」、「自分のとらえ方のくせに気づく機会になった」、「市民とのコミュニケーションの仕方に変化があった」の項目に、思うと回答したものが9割以上いた。また、プログラムの体験の意義も高く示された。特に、市民目線への気づきを促したものとして、健康相談体験と同時に、その後のグループワークによる他者との意見の共有が挙げられた。今後も、プログラム評価方法を見直しプログラム評価の継続が必要と考える。
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