2012 Fiscal Year Research-status Report
コーチングソフトウェアを用いた「見て、気づき、考える」車椅子移乗技術指導への挑戦
Project/Area Number |
24659977
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
増田 富美子 兵庫医療大学, 看護学部, 助教 (20461171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 なつき 兵庫医療大学, 看護学部, 助教 (40615043)
山田 哲 兵庫医療大学, 医療福祉学部, 講師 (00511784)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 車椅子移乗 / 基礎看護技術 / ビデオフィードバック / コーチングソフトウェア |
Research Abstract |
平成24年度は平成24年度~平成26年度にかけて実施する看護学生による車椅子移乗技術の経年的変化を明らかにすることを目的に、A大学1年生13名を対象に平成24年9月および平成25年1月に車椅子移乗技術をVTRおよび三次元動作解析装置を用いて撮影し、撮影後には実施した車椅子移乗技術についての研究対象者の内省を明らかにするためにインタビューを実施した。 VTR映像に基づく研究者による技術評価では車椅子移乗技術習得の3か月後、半年後には車椅子移乗技術は高い技術での維持または技術の改善を示す割合が高く、低い技術での維持または技術の低下を示す割合は少なかった。車椅子移乗技術の変化の特徴として、立ち上がりから着座までの動作時間の減少、腰の高さの減少などが認められた。しかしながら、研究対象者の自身の技術に関する内省では、ほとんどの研究対象者が車椅子移乗技術の低下を自覚しており、車椅子移乗技術が低下した要因は【練習の不足】であった。研究対象者が車椅子移乗技術の低下を判断した根拠は、【重心移動のイメージとの違い】【移乗中の安定性の違い】【被介助者の重さの感じ方の違い】であり、自分が一度獲得した感覚に基づいて行っていることが明らかになった。これらの結果は、初学者にとって客観的に技術を評価し、学習者自身の技術を修正していくためには、学習者の内省や他者からの言語によるフィードバックだけでなく、学習者自身の映像を活用するなどの必要性が示唆され、次年度よりコーチングソフトウェアを用いた「見て、気づいて、考える」技術習得法の有効性の検証に着手する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
車椅子移乗の経年的変化については、VTRおよび三次元動作解析装置による分析が終了している。また、研究対象者の実施した車椅子移乗技術に関する内省に関しては、インタビューを実施し、逐語録を作成し、質的帰納的な分析が終了している。よっておおむね順調に進展していると考える。しかしながら、コーチングソフトウェアの分析機能と動作解析結果との整合性を検討し、二次元の映像を使用することでの技術評価の課題について早急に検討する必要性が出てきた。よって、平成25年度に実施する研究準備と並行し、明らかにしていく。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度より引き続き、車椅子移乗技術の経年的変化を明らかにするための撮影およびインタビューを計画どおり実施する。【対象】【方法】【分析】は平成24年度と同様とするが、平成25年度は前期授業期間終了後と後期履修の臨地実習終了後に撮影する。また、平成24年度に撮影した車椅子移乗技術との比較をあわせて行う。 平成25年度は本研究課題である”コーチングソフトウェアを用いた「見て、気づき、考える」車椅子移乗技術指導への挑戦”のうち、コーチングソフトウェアを用いたビデオフィードバック法の有効性を明らかにする。【対象】研究協力が得られたA大学看護学部の学生15名程度を【方法】研究対象者をコーチングソフトウェア使用し、比較映像とともにビデオフィードバックを実施する群と比較映像を用いず、自分自身の映像のみでフィードバックを実施する群、フィードバックに映像を用いない群の3群に分け、1週間に30分×3回程度の自己練習期間を設定する。自己練習前後の技術評価にはVRTおよび三次元動作解析装置で車椅子移乗技術を撮影し、研究者による技術評価を実施する。また、技術評価後に各フィードバック法に関するアンケートを実施し、インタビューの了承が得られた研究対象者にはインタビューを実施する。【分析】技術評価結果を用いて3群間の多重検定を実施し、その有効性を明らかにする。また、自己練習記録および技術評価後のアンケートおよびインタビュー内容は質的に分析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は物品費として研究対象者が使用する撮影機能付きタブレット型コンピュータの購入および研究対象者への謝礼として使用する。また、データ収集に伴う研究分担者の旅費として使用する。
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