2012 Fiscal Year Research-status Report
慢性閉塞性肺疾患患者のセルフモニタリングによる運動療法支援プログラムの開発
Project/Area Number |
24659982
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
漆坂 真弓 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (70326304)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 慢性看護 / 運動支援 / 慢性閉塞性肺疾患 / セルフモニタリング |
Research Abstract |
平成24年度の研究課題は、「活動量計を用いたセルフモニタリングが活動量に与える効果の検証」であった。研究目的に照らし、平成24年度は、外来に通院している慢性閉塞性肺疾患患者の運動療法支援プログラム開発にあたり、対象となる患者の介入前の基礎代謝量及び生活の質、活動量や呼吸困難の程度、栄養状態などに関する基礎データを収集している。対象は慢性閉塞性肺疾患患者を想定していたが、慢性閉塞性肺疾患患者同様に日常生活を送る上で呼吸困難と活動量を調整しながら生活を送っている慢性呼吸器疾患(間質性肺炎、気管支拡張症など)を患っている患者にも範囲を広げ、閉塞性障害と拘束性障害での特徴などを加味しながら、運動療法支援プログラムを開発することとした。対象となる呼吸器疾患患者は基礎代謝が亢進している方が多い。基礎代謝の亢進は、活動に伴う疲労や倦怠感、体力不足、栄養不良を招き、活動量や体力・気力、生活の質を左右する。活動量計を用いたセルフモニタリングを行うにあたっては活動する十分なエネルギー・体力があるのか、栄養状態との関連も考慮し、活動量の調整を図ることが必要である。基礎代謝エネルギーに関する情報は個人の安全な活動内容や量を査定するため上での貴重な指標となる。活動に耐えうるエネルギーがどの程度あるのかについて、基礎代謝エネルギー(メタボリックアナライザーによる測定値)を参考にし、適切かつ安全な活動量と活動内容の検討、活動と休息のバランスの調整等を行えるように介入していきたいと考えている。そのための現在は対象者への介入前の基礎データを収集している段階である。これらの結果を受けて実際の介入へと進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度の研究課題は、 1.活動量計を用いたセルフモニタリングが活動量に与える効果の検証 2.活動量計によるセルフモニタリング効果の検証及びセルフモニタリング項目の検討 3.運動療法支援プログラムの検討、であった。 現段階では、活動量計をもちいたセルフモニタリングを安全に実施するために、対象者となる慢性呼吸器疾患患者の介入前の基礎データ(基礎代謝量、酸素消費量、体組成、活動量尺度による現在の活動量調査など)を収集している段階であり、まだ活動量のセルフモニタリングの介入を行っていない。つまり対象者の活動量及び体力に関する状況把握にとどまっている状況である。計画では、それらの段階も含めてセルフモニタリングが活動量に与える効果の検証を行う予定であった。しかしながら実際には対象者の体力や活動などの状況把握なしに活動に関する介入を行うのが難しい状況にあったため、介入前の段階として対象者の活動量や体力等の状況把握を行い、次の介入へと進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に把握した対象者の活動にかかわる基礎データを基に、活動量計を用いたセルフモニタリングが活動量に与える効果について検討を行う予定である。具体的には、 1.活動量計および酸素飽和度測定器(パルスオキシメータ)を対象者に貸与し毎日装着してもらうこと 2.活動内容や体調について療養日誌を記録してもらうこと 3.活動量の結果と日誌を照らし合わせて、活動や休息、行事や予定との調整を図りながら、自分の呼吸状態及び体力に合った活動量を見出していくこと などを行っていく。介入は外来受診毎に行い、自分自身の活動量や体調をどのような視点でモニタリング、アセスメントしながら調整を図っているのかを調査し、アセスメントの仕方や活動量や休息、体調を見極める視点について専門的な知識の提供を図りながら支援していく。研究を行っている地域は積雪地域であるため、季節による活動量の変動や活動に伴う危険性(転倒など)、また活動を行う環境整備や援助なども加味しながら、セルフモニタリングの支援を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、活動量計を用いたセルフモニタリングが活動量に与える効果について検討する予定である。平成24年度は対象者の基礎データの収集を行ったため、まだ活動量計を購入していない。そのため平成25年度には24年度で購入予定であった活動量計を購入し研究をすすめていく予定である。 なお、現在使用している機器(基礎代謝エネルギー測定機器など)の消耗品、成果発表のための旅費などに研究費を使用する予定である。
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