2013 Fiscal Year Research-status Report
慢性閉塞性肺疾患患者のセルフモニタリングによる運動療法支援プログラムの開発
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24659982
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
漆坂 真弓 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (70326304)
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Keywords | 慢性看護 / 運動支援 / 慢性閉塞性肺疾患 / セルフモニタリング |
Research Abstract |
平成25年度研究課題は、平成24年度からの引き続きの調査である①活動量計を用いたセルフモニタリングが活動量に与える効果の検証であった。運動支援プログラム作成・評価に際し、対象となる慢性呼吸疾患患者の体力や呼吸状態を考慮し安全を確保するために、事前の基礎調査として体組成、安静時代謝量、ADL及びQOL調査などを行った。外来に通院している慢性閉塞性肺疾患患者(以下COPD患者群)22名、間質性肺炎患者(以下IP患者群)21名を対象に、体組成、安静時代謝量、ADL及びQOL質問紙調査等を行った。COPD患者群はすべて男性で、平均年齢は72.56歳、在宅酸素療法を行っていたのは6名であった。IP患者群は男性13名、女性8名、73.43歳、在宅酸素療法を行っていたのは7名であった。COPD患者群とIP患者群で、体重、体組成、安静時代謝量について比較したところ、体脂肪指数、体脂肪率、体脂肪量についてはp<0.01で、体格指数、%標準体重についてはp<0.05で有意差を認めた。IP患者群は体格指数が24.0、%標準体重109.1%と肥満寄りの標準体型で、体脂肪量はCOPD患者群よりも多かった。COPD患者群は体格指数が21.4、%標準体重97.2%と標準体型であった。安静時代謝量は両群に差が認められなかったが、除脂肪体重あたりの安静時代謝量はIP患者群が33.2kcal/kg/ 日、COPD患者群26.5kcal/kg/日と、COPD患者群の値が有意に低かった。ADL質問紙調査及びQOL質問紙調査では、COPD患者群とIP患者において有意差は認められなかった。 外来に通院している慢性呼吸器疾患患者はADLがほぼ自立しており、感染症に罹患しないように注意しながら、呼吸困難を招かないようにしながら生活していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度は活動量計を用いて日常生活活動及び活動量の測定を行いながら、慢性呼吸器疾患患者がどのように体調や活動量を調整しながら生活しているか、その調整をするためモニタリング項目について検討する予定である。活動量の測定をするための安全管理として、当初予定をしていなかった調査として、体力的な問題がないかを安静時代謝量などの測定に費やしたため計画が遅れている。その調査の結果、外来通院中の慢性呼吸器疾患患者については体力的な問題はなく、運動療法を進めていくことに支障がないことが示唆されたため、活動量計を用いたモニタリングを進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、慢性呼吸器疾患患者を対象に、活動量計を用いて日常生活の活動量及び体調、QOLや、季節や行事による変動等を調査するとともに、慢性呼吸器疾患患者が自らの体調や活動量、活動内容をどのようにとらえながら日々生活しているのかを明らかにすることで、セルフモニタリング項目を吟味検討していく。患者自身による体調管理・活動量管理のモニタリング項目を加味しながら、運動療法支援プログラムを作成・実施し、プログラム評価を行う。また、これまでの研究成果を国内外の学会に発表・投稿していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は成果報告に行けなかったこと、データ収集補助を頼まずにデータ収集を行ったこと等、研究計画が遅れたことで予算を予定より使用することができなかった。 機器類のメンテナンスおよび機器類に関する消耗品の補充を行うことと、データ収集のためのデータ収集補助への謝金を予定している。加えて、国内外で成果報告を行うために出張費を確保している。成果報告については、英語論文作成のためのネイティブチェック料金および投稿料などに使用する予定である。
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