2013 Fiscal Year Annual Research Report
がん診療連携拠点病院における「がん患者サロン」普及促進のための研究
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24659985
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
光行 多佳子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10581332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 明子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20290546)
安藤 詳子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60212669)
阿部 まゆみ 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (80467323)
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Keywords | がん患者サロン / がん診療連携拠点病院 / 緩和デイケア / がんサバイバー |
Research Abstract |
本研究は、がん診療連携拠点病院における「がん患者サロン」の実施要件を明らかにして、その普及促進を目的とした。2年目の最終年度は、以下の3点について活動した。 1.全国がん診療連携拠点病院における「がん患者サロン」実施状況の調査:昨年度の結果から質問紙(8領域36項目)を作成し、対象の611施設の中で、研究に協力しサロンを実働する154施設の調査結果を分析した。サロンの開催頻度は月1回が5割を占め、平均2時間の活動だった。利用者は女性が多く、乳がん・消化器がん患者の割合が高く、1回の参加人数が4-6人または、7-10人が多かった。活動内容は利用者同士の交流が主で、話題は生活、身体症状、今後の不安だった。運営側は、病院職員が1回に平均3人参加し、職種は看護師とMSWが主で、医師・臨床心理士等が関わっていた。職員以外のスタッフとしてがん患者や家族が5割の施設で関わっていた。進行役に専門的な役割や機能の必要性を意識している施設は7割だった。調査に回答したサロン担当職員が利用者の変容を感じているのは8割、利用者の反応を満足と捉える回答は7割で、概ね活動成果を感じていた。現在変数間の関連を解析し、実効性のあるサロンの実施要件について考察中であり、投稿論文を準備している。 2.「がん患者サロン」の活動内容に関する検討:本学内のキャンパス型緩和デイケア・サロンの実践例に関する質的研究とイギリスの緩和デイケアの視察により、サロンの活動内容の方向性について検討し、学会及び論文に発表した。 3.「がん患者サロン」の普及に向けた検討:成果発表の冊子を検討する会議を開催して、その構成について議論したところ、がんサバイバーを支えるための活動内容をより幅広く紹介する本を出版し、本研究成果を組み込む方向となった。現在、出版に向け準備中である。
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