2012 Fiscal Year Research-status Report
小児がん経験者の支援に関する国際比較と長期フォローアップケアモデルの開発
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24659995
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
富岡 晶子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 准教授 (90300045)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 小児がん経験者 / 長期フォローアップ / 女性 |
Research Abstract |
平成24年度は、小児がん経験者の長期フォローアップの現状に関する国内外の文献検討および英国で開催された国際小児がん学会における諸外国の研究者および実践者からの情報収集をもとに、女性小児白血病経験者のセルフケア支援に関する課題を明らかにした。 女性小児白血病経験者の性・生殖機能にかかわる晩期障害および心理社会的影響は、成人後の自己イメージやQOLに関連しており、とくにボディイメージの低下が自尊感情につながる可能性や治療体験がPTSDや抑うつなどのリスク要因となることが示唆されている。女性小児白血病経験者は適切な晩期障害への対処、健康的なライフスタイルの確立、自立に向けた前向きな姿勢、ストレスマネジメント等に関するセルフケアを確立していくことが求められており、それらの実現のためには、心理社会的な影響を低減し、セルフケアを実践できる自信を得ること、すなわちセルフケア自己効力感を向上させることが必要である。長期フォローアップシステムにおいては、自己イメージを確立していく10代から、結婚・妊娠・出産を迎える各ライフステージにおいて、女性に特化した継続的な支援を実践していくことが必要であり、これらの支援内容及び方法を検討することにより女性小児白血病患者の健康維持・増進とともに社会的自立を促進することが可能と考えられる。また、高度実践看護の発展に寄与するケアモデルを開発することにより、小児がん経験者全体に関わるケアの質の向上と看護の発展に貢献することができると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度の研究実施計画として、国内外の小児がん経験者の長期フォローアップの現状と課題については概ね計画どおり検討することができた。また、国際小児がん学会および海外フィールドからの情報収集を進めることができた。これらの情報から、現在調査票を設計しているが、調査内容の詳細に関する検討に時間を要し、当初の予定より若干の遅れがある。調査票が完成次第、調査協力施設への依頼・調整を開始する予定となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、現在作成中の調査票をもとに、調査協力施設への依頼・調整を行い、女性小児白血病経験者である若年成人を対象に調査を実施し、結果を分析する。これらの結果をもとに長期フォローアップモデルの試作を行い、研究協力者からの助言、実践応用の試みを通して評価、修正を重ねる。最終的に女性小児白血病長期フォローアップモデルの開発および包括的支援システムの提案を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は消耗品等の購入が予定していた額よりも執行が少なかったため、平成25年度のデータ収集に伴う消耗品購入に充てる。平成25年度は本調査実施依頼及びデータ収集のための旅費、調査票印刷、海外調査票の翻訳料、データ入力のための研究補助アルバイト賃金、調査謝礼として予定どおり研究費を使用する計画となっている。
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