2013 Fiscal Year Research-status Report
小児がん経験者の支援に関する国際比較と長期フォローアップケアモデルの開発
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24659995
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
富岡 晶子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 准教授 (90300045)
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Keywords | 小児がん経験者 / 長期フォローアップ / 女性 |
Research Abstract |
医療技術の進歩に伴い小児がんの治療成績は著しく向上し、成人した小児がん経験者が増加している。その一方で、小児がん経験者は成人後もなんらかの晩期障害や二次がん発症のリスクを抱えることや心理社会的な問題を有することで、生涯にわたって継続的な支援が必要と考えられている。本研究は、我が国の小児がん経験者の実態を把握し、我が国の文化背景に基づいた長期フォローアップケアモデルを開発し、小児がん経験者への包括的支援システムの在り方を提案することを目的としている。 平成24年度に実施した、小児がん経験者の現状と課題の分析から、女性小児がん経験者のライフステージにおいてさまざまに生じる身体的、心理社会的問題に対し、自己効力感を高める支援を検討する必要性があげられた。そこで、平成25年度は国内外の文献および学会発表を参考に、自己効力感の関連要因を検討し、既存尺度の選定、女性小児がん経験者の状況を把握するための項目の精選を行い、成人後の女性小児白血病経験者を対象とした調査に向けて質問紙を作成した。また、調査遂行にあたっての手続き、実施方法、分析方法を検討した。さらに、プレテストを実施し、調査票の内容妥当性の確保に努め、調査票発送準備を進めている。 本調査を実施することで、これまで十分に明らかにされていなかった女性小児がん経験者特有の問題と支援方法、情報提供方法の示唆を得ることが可能であり、小児がん経験者の長期フォローアップの質の向上に寄与できると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
成人後の女性小児がん経験者の問題として、女性特有の性・生殖にかかわる問題があげられるが、それらの質問方法について、対象者への倫理的配慮を十分に行うため、多方面からの助言、インタビューを含めたプレテストを実施し、調査票の完成に時間を要した。また、対象者が限定されることから、複数の施設に調査協力を依頼し、調査開始までの調整に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
調査協力施設との調整が完了した時点で調査を開始予定である。調査結果をもとに、長期フォローアップモデルの試作を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は調査実施の計画であったが、調査票作成と研究協力施設との調整に時間を要し、調査実施に至っていない。そのため、調査票作成費、郵送費、調査実施のための旅費、対象者への謝礼が翌年度の執行予定となった。研究協力施設との調整が終了次第、調査実施予定である。 調査実施のための調査票作成費、郵送費、調査実施のための旅費、対象者への謝礼に使用する計画である。
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