2012 Fiscal Year Research-status Report
分離型里帰り分娩におけるビデオ会話の家族サポートへの効果の検討
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24660001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古川 亮子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90300095)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 里帰り分娩 / ビデオ会話 / 親子愛着 / 夫婦関係 |
Research Abstract |
里帰り分娩は、300年以上にもわたる日本の出産に関わる伝統であり、社会経済状況の変化にもかかわらず、現在でも約15%前後の妊娠している夫婦が妊娠・出産に関わる援助を実家の両親から受けるために選択していると考えられている。里帰り分娩の功罪は、医学の進歩に伴い、医学的リスクから社会的リスクにシフトされているといわれているが、大賀(2009)が里帰り分娩に関する研究の文献レビュー論文でも指摘しているように、里帰り分娩による父子の愛着形成や夫婦関係といった社会上の問題についての研究はみられていない。本研究では、里帰り分娩で別々に暮らす父(夫)と母(妻)子の家族構築、特に児童虐待/育児放棄の因子でもある父子の愛着形成・妊娠を契機に起こるドメスティックバイオレンスの因子にもなる夫婦関係に焦点を当て、ウェブカメラによるビデオ会話(video-mediated communication)で仮想共同空間を共有することで、父子の愛着形成および夫婦関係へのサポートや里帰り分娩後の夫婦と祖父母との家族の絆を深めるサポートになりうるかを検討するものである。 分離型里帰り分娩中の実際の生活やビデオ会話による夫婦関係・父子愛着形成の影響を明確にするため、研究参加者として里帰り分娩中の夫婦と里帰り先の家族サポーター1名を1組の参加者として募集する。その参加者を2つのグループに分け(対象者グループ:里帰り分娩で別々に暮らす夫婦でビデオ会話を利用する、非対象者グループ:里帰り分娩で別々に暮らす夫婦でビデオ会話の介入なし)、縦断的(妊娠期からお産後12ヶ月)に調査している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年8月より研究参加者を募集しており、現在は希望参加予定者数の約半数を確保し、データ収集を行っている。 研究参加者条件が厳しいため参加者募集には苦慮しているが、参加者からのデータ収集は順調に行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も昨年度に引き続き参加者募集を行う。 また、データ収集をしながら、可能な範囲でのデータ分析を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究参加者募集(広告代)と、貸し出し用のウェブカメラ・パソコン、データ収集(郵送費)や謝礼、分析ソフトの購入等に研究費を使用していく予定である。
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