2012 Fiscal Year Research-status Report
帝王切開後の子宮復古現象―アセスメントツールの作成―
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24660012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
下見 千恵 県立広島大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80300424)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 子宮復古 / 帝王切開 |
Research Abstract |
本研究の目的は,帝王切開後の子宮復古を査定するためのツール開発である。今年度は先行研究調査およびデータ収集を実施した。 帝王切開後の子宮復古は経腟分娩のそれよりも遅れることが明らかになっているが,その詳細は明確でない。先行研究では,産後数日後または1ヵ月後など断片的なデータや超音波診断装置を使った計測値が報告されており,入院中の子宮底長の客観的数量データは見当たらなかった。また,悪露の色調は赤色→褐色→黄色→白色と変化し,赤色であるのは産後3日ころまでであることが一般的に知られている。しかし悪露の色調に関する研究では,経腟分娩においても悪露の変化は古典的な文献よりも長くかつ赤色の色調は産後12日ほど続くとの報告もあった。 また,データ収集も行った。近年の少子化に鑑み対象の確保は容易ではないが,地道にデータを集積した。今後,被験者数を増やしデータを蓄積すること,また子宮復古に影響する要因を検証していく予定である。 これまで得られたデータから子宮復古の変化の特徴について分析を試みた。経腟分娩と比較すると,帝王切開分娩では有意に子宮底長が大きかった(t-test, p<.05)。経腟分娩の子宮底長がある時点で急激に下降する(repeated measures ANOVA, p<.01)のに対し,CSは一定のペースでゆっくり下降する傾向があることが示唆された。この結果については,ICN 25th Quadrennial Congressで発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ収集シートおよび被験者への質問票を作成した。被験者への質問票では,視覚的アナログ目盛り法(visual analog scale method; VAS)を用いた後陣痛および創痛の測定,色彩基準を用いた悪露の色調について主観的データを得ることとした。当該年度の目標は基礎的データの集積であり,このデータシートと質問票を用いてデータ収集を行った。近年の少子化の状況もあり,少しずつではあるが,協力の得られた被験者のデータを得た。被験者数が少ないがデータ分析を行い,その結果が国際学会で採択され,発表予定である。以上のことから,達成度としては総合的に評価できると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り,目標としている被験者数に近づくために地道なデータ収集を続行する。なお,新たな施設開拓も検討を継続する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
備品となる書籍(色彩スケール)を所属の基本研究費で購入できたこと,データ整理ソフトの購入が基本OSの切り替え時期の都合から購入を見合わせたことから,主として物品費の執行が少なかった。 次年度は国際学会での発表が決定しており,旅費としての相殺と基本OSの状況によりデータ整理ソフトの購入等の補完としたい。
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Research Products
(1 results)