2013 Fiscal Year Research-status Report
帝王切開後の子宮復古現象―アセスメントツールの作成―
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24660012
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
下見 千恵 県立広島大学, 助産学専攻科, 教授 (80300424)
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Keywords | 子宮復古 / 帝王切開 |
Research Abstract |
産褥期の子宮復古を評価するとき,色や量など悪露の状態は付加すべき重要なパラメータである。前年度の文献調査をもとに,悪露の評価をするための色彩のスケールについて検討した。また,助産師や研究者の協力を得て,悪露の色調の変化について検討し褥婦に対する質問票を作成した。悪露の色調は赤色→褐色→黄色→白色と変化することが知られており,赤色であるのは産褥3日目までである。一方で,赤色悪露はもっと長く続くとの報告もあることから,経腟分娩における悪露の色調変化についてもデータを収集し,今後分析予定である。 本研究では,帝王切開後の子宮復古を客観的に評価するためのアセスメントツールの作成を目標としている。子宮復古状態だけでなく,産褥の子宮復古に影響する因子についても分析を進める予定である。被験者の年齢,分娩既往,新生児の体重,胎児付属物の大きさ,多胎,分娩時出血量など因子の影響力を検討したい。その一部として,次のような分析を行った。前年度から蓄積したデータを用いて,子宮復古に影響する要因と考えられる子宮の過伸展について検証した。その結果,多胎の場合は単胎に比べ統計学的有意に子宮底長は大きく,さらに産後数日は大きいまま経過した。なお,この結果の一部はICM 30th Triennial Congressで発表予定である。 産褥期の子宮復古状態を知る方法として,子宮底長の計測値だけでなく臨床現場で有用なツール作成についても検討していきたい。少子化の中対象者の確保はスムーズではないが,データを積み上げていく。さらに経腟分娩事例のデータもあわせて収集し,その比較検討など,多角的に分析を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度作成したデータ収集シートおよび被験者への質問票を,再検討した。その内容は,子宮復古に影響する因子について精選したこと,また,悪露の色調の変化について色彩スケールから再度微調整を行った。当該年度の目標は基礎的データの集積を続けることであり,質問票およびデータシートを用いて蓄積した。近年の少子化の状況から対象者は多くはないが,地道に協力の得られた被験者のデータを得た。前年度からのデータも加え,分析を行った。その分析結果が助産師の国際学会で採択され,2014年6月発表予定である。以上のことから,達成度としては総合的に評価できると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り,目標n数を目指してデータ収集を実施する。データ分析を進めること,イラスト等わかりやすい媒体の作成を検討している。 (次年度の研究費の使用計画) データ分析ソフトの購入額が当初の予定より少額となったため,物品費の執行に残額が出た。残額は次年度の論文投稿等の補完とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ分析ソフトの購入額が当初の予定より少額となったため,物品費の執行に残額が出た。 残額は次年度の論文投稿等の補完とする。
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Research Products
(2 results)