2012 Fiscal Year Research-status Report
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24660018
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
片岡 弥恵子 聖路加看護大学, 看護学部, 准教授 (70297068)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 看護学 / 助産学 / 妊娠期 / 乳がん / 事例研究 / 連携 |
Research Abstract |
平成24年度は、乳がん合併妊産婦の事例集積研究を進め、第53回日本母性衛生学会にて結果を発表した。研究は、都市部の1か所の総合病院にて、2006年4月~2012年3月に分娩し、妊娠期に初めて乳がんの診断を受けた女性を対象とした。分析対象者は計20名であった。分娩件数に対する割合の推移は、2006年度~2011年度では0.20%~0.53%と徐々に増加していた。対象の背景は、年齢36.3±3.6歳、経産婦11名(55%)であった。分娩様式は正常経膣分娩70%、帝王切開術25%であった。また、6割は計画分娩であった。分娩時週数は35週~42週で正期産が8割を占めた。分娩時出血量369.5±217.5mlであった。75%が腫瘤の自覚により乳がん発見に至っており、初診時の妊娠週数は6週~32週の幅があった。発見時Stage分類は、Stage2aが7名と最も多く、Stage4も1名いた。妊娠期の乳がんに対する治療は、11名が手術を受け、14名が化学療法を行っていた。分娩後14名(70%)が健側の授乳を行い、うち10名は治療再開のため産後3日目~産後1ヶ月に断乳した。授乳をすることは、女性に満足感または納得感を生みだしており、そのサポートは重要であることがわかった。退院後は、妊娠出産育児と乳がん治療が併行しており、他職種と連携した長期的な継続的なサポートが必要と考えられた。 今後、乳がんを診断され、治療した後に妊娠した女性の事例についても分析を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究計画は、乳がん合併妊産婦の事例集積研究の実施と発表であった。計画通りに進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、乳がん合併妊産婦へのケア経験がある医療者へのインタビュ調査を実施する予定である。現在、研究計画書を作成中である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、研究協力者がデータ収集を行ったため謝金の支出が予定よりも少額となった。また、論文投稿料に関しては、平成25年度に投稿予定となったため残金が生じた。 平成25年度は、医療者へのインタビュ調査を実施する予定であるが、研究の結果は日本助産学会(長崎)にて発表予定である。また、コクランコロキュアム(カナダ)にて乳がんケアに関するシステマティックレビュ研究者との意見交換も計画している。乳がん合併妊産婦の事例集積研究の結果を統合し、ケアのスタンダードを作成するため、印刷費も必要となる。
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Research Products
(2 results)