2013 Fiscal Year Research-status Report
重度アルツハイマー型認知症高齢者へのケア提供を遂行するための看護師の行為
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24660044
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
浅井 さおり 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (20326317)
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Keywords | 認知症高齢者 / ケア提供行為 / 看護師 / 質的記述 |
Research Abstract |
本研究は,重度アルツハイマー型認知症(以下DATとする)高齢者へ,看護師がケア提供をどのように遂行しているのかを記述することを目的とし,認知症専門病棟に勤務する看護師と重度DAT高齢者とのケア提供場面の参加観察と観察後に看護師へのインタビューを行い,質的記述で分析を行う計画としている.本研究では特に,ケア提供が円滑にいかなかった場面のデータ収集を計画した.ケア提供が円滑にいかない場面が,データ収集予定日に発生するとは限らないことから,平成24年度より3年間の予定で長期的にデータ収集する予定でいる. 平成25年度は8月から10月および翌年2月から3月の2回データ収集を計画した.3名の看護師と2名のDAT高齢者の協力を得て8月から10月は協力施設へ19日間訪問し参加観察を実施したが,目的とする場面には1回のみであり,1データのみの収集であった.平成26年2月から3月のデータ収集は,研究者の健康上の理由により参加観察ができない状況となり,データ収集を中止とした.よって,本年度の実績は1場面の収集であった.平成24年度のデータと合わせても,3場面のデータ収集の状況である. データ収集が困難な方法で研究をしている理由は,重度DAT高齢者へのケア提供の展開に重要な判断や働きかけであっても,臨床の現場では,看護師は瞬時に意識せずに行っていることが多いためである.意識的に行われていない判断や行為は,臨床の経験としてインタビューしてもデータとして得ることができないため,本研究方法でのデータ収集は新たな知見を見出すことができると考えている.次年度のデータ収集も困難なことが予想されるが,得られたデータに合わせて質的記述の方法を検討することにより,意味ある知見を提示したいと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の達成度となった理由は,頻繁に発生しているケア場面をデータにしていないこと,研究者1名での実施であることに加え,研究者の健康上の理由によりデータ収集が予定の2分の1の期間となったことにある.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度,今年度とも研究者1名でのデータ収集を実施しており,一貫したデータ収集が重要であるため最終年度も1名でデータ収集を実施する. 最終年度は,データ収集が予定通りいかなかった場合データ収集を10月まで延長する予定であったが,年度末まで延長して1データでも多くデータ収集を試みる. また,申請当初は,データ数を15から20と考えた質的記述を計画していたが,質的記述は少数例での分析も可能な分析方法であり,データを最大限生かした分析を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度の未使用額には海外学会参加ができなかったことによる旅費,また,健康上の理由によりデータ収集が予定の半分のみの実施であったことによる. 海外学会参加費(第7回国際保健医療行動科学会議(ロンドン))としての使用を予定している.
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