2012 Fiscal Year Research-status Report
中国における脳卒中高齢患者の退院後継続看護プログラムの開発と有用性の検討
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24660045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
張 平平 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (90436345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 眞理子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (90168998)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 中国 / 山西省太原市 / 北京市 |
Research Abstract |
平成24年度の研究計画は「脳卒中高齢患者の退院支援に向けての継続看護における日本と中国の現状把握」であった。具体的には以下のことが遂行された。 1 日中両国共同研究者の情報共有による現状把握:2012年6月22日~27日に中国側研究者2名が来日し、日本側研究者との研究打ち合わせを行った。両国の研究者は各国の脳卒中高齢患者の継続看護における問題点や課題を説明したり、本研究の位置づけや今後の進め方を確認したりすることにより、研究計画の洗練と今後の研究の方向性についての合意結成が図られた。また、中国側研究者は日本の脳卒中高齢患者の退院支援の実体を把握するために県内の医療機関と老人施設への見学も行った。研究打ち合わせや見学を通して日本の継続看護の体系化と退院支援に関するシステム構築に強い関心を示した。 2 日本における脳卒中高齢患者の継続看護の現状に関する文献レビュー:退院後の継続看護につながる退院指導が非常に重要であるため、看護分野における脳卒中高齢患者の退院指導の現状を過去5年間の先行文献の検討から把握することとした。医学中央雑誌Web版から検索した18件の原著論文の検討により、脳卒中高齢患者の個別性を尊重した、他職種との有機連携による退院指導が行われている現状が伺われた。また、超高齢社会の要請に応えるための退院指導の体系化・組織化を強化するとともに、蓄積されてきた退院支援の知見の国際発信が看護師に求められていることも考えられた。この成果は第20回国際老年学会(IAGG2013)にて発表することとなった。 3 中国における脳卒中高齢患者の継続看護の現状に関する文献レビュー:中国生物医学データベースから看護分野における脳卒中高齢患者の退院指導に関する過去5年間の先行文献を42件検索した。得られた文献の検討は現在分析段階に至っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度の研究には「日中両国共同研究者の打ち合わせ」と「先行文献の検討」が計画された他に、日本と中国の各々の対象病院で過去1年間の脳卒中高齢患者の退院資料の分析と退院指導にかかわる5名程度の看護師への聞き取り調査も予定されていた。しかしながら、2012年9月20日~23日に日本側研究者2名による中国でのデータ収集が企画されたが(チケットの手配なども全て済んだ状態であった)、日中関係の悪化で中国出張を中止することとなった。このため、関連データの収集も次年度に延期せざるをえない状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は以下のとおりである。 1 昨年度の実施できなかったデータ収集:2013年5月に日本側研究者2名が中国へ関連データを収集(退院資料の分析と看護師への面接調査)に行く。また、7月に日本の対象病院でのデータ収集も行う(退院資料の分析と看護師への面接調査)。 2 新たなデータ収集の追加:今まで中国地方都市部(太原市)でのデータ収集を計画したが、研究成果の一般化のために大都市でのデータ収集も追加する(北京市)。 3 日本の知見を活かした中国脳卒中高齢患者の退院に向けての継続看護プログラム案作成(計画通り):まず、日中両国での文献レビューおよび実態調査の結果を2013年12月までにそれぞれに明確にする。そして、脳卒中高齢患者の退院に向けての継続看護に関する日中両国の特徴を浮き彫りにする。最後に日中両国共同研究者が2014年2月に日本で中国脳卒中高齢患者の退院に向けての継続看護プログラムの原案を検討・作成する(内容は「退院支援アセスメント内容」と「継続看護につながる退院指導内容」が予測されている)。 4 プログラム案の試行と効果評価(計画通り):2014年4月~12月に中国における脳卒中高齢患者の退院に向けての継続看護プログラム案の試行と効果評価を行う。また、本研究結果に関するシンポジウムを年度内に中国で開催する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は平成24年度未使用額(839,227円(日中関係の悪化による中国出張の中止と物品の未購入))および、平成25年度請求額(700,000円)が含まれ、総額は1,539,227円となる。具体的な使用計画は以下の通りである。 1 旅費(1,050,000円):(1)2013年5月に研究代表者と分担研究者が中国へデータ収集を行いに行く(300,000円×2名)(前年度の実施できなかった部分)。(2)研究代表者が2013年6月に研究成果の発表のための旅費を支出する(韓国のソウルにIAGG2013が開催される)(150,000円×1名)。(3)2014年2月に中国側共同研究者が来日する(継続看護プログラム原案作成のためのの検討を行う旅費を支出する)(150,000円×2名)。 2 人件費・謝金(220,000円):(1)テープ起こし(100,000円)、(2)文献資料整理(100,000円)、(3)対象者への謝礼(2,000円×10名) 3 消耗品(249,227円):(1)データ解析計算機(FMVLIFEBOOK SH76/EN)1台×200,000円(昨年度の購入できなかった部分))、(2)図書・文房具(49,227円) 4 その他(20,000円):会議費(10,000円×2回)
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[Presentation] Japanese nursing service mode2013
Author(s)
Mariko Otsuka, Pingping Zhang
Organizer
The 2nd China International Senior Services Expo(CISSE 2013)-Symposium on Rehabilitation and Nursing Service for the elderly
Place of Presentation
China National Covention Center
Year and Date
20130501-20130503
Invited