2013 Fiscal Year Research-status Report
ブラジル人児童の健康課題に関する実態:児童と保護者の生活様式に焦点化して
Project/Area Number |
24660049
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Research Institution | Gifu College of Nursing |
Principal Investigator |
鈴木 里美 岐阜県立看護大学, 看護学部, 助教 (00448698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 訓枝 岐阜県立看護大学, 看護学部, 講師 (90448697)
世一 和子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 准教授 (90625964)
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Keywords | ブラジル人児童 / 健康 |
Research Abstract |
平成25年度は、ブラジル人の生活様式を把握し児童の健康に影響する背景要因を捉え実態を明らかにするために、国内の在日ブラジル人の健康に関する文献を整理し学会発表を行った。児童生徒の健康課題では、肥満、齲歯の多さ、生活習慣では、朝食の副食が少なく菓子類を摂取しジュースの量と頻度が多い等、栄養バランスの悪い食事内容があがった。また、メンタルヘルスの問題もあげられ、リスクファクターとして言語の障壁、日本人生徒との関わり方や学校生活習慣の受入れ度等が抽出された。成人の健康課題では、精神症状やストレス症状を呈している者が多く、肥満は男性および女性の20~40歳台で割合が高く、食習慣は肉・油脂・甘い飲み物が多く、魚・野菜の摂取が少ない傾向にあった。 文献から、児童の健康課題は、学校生活適応や食生活が要因と推測されたため、これらを中心に児童と保護者の面接調査票を作成した。児童の調査項目は、就寝・起床時間、朝食・夕食を共にした家族と摂取状況、排便、運動、学校生活、身体症状等、保護者の調査項目は、子どもの健康状態と睡眠・食事・運動で気をつけていること、就労状態、日本語能力等である。そして、A小学校において、ブラジル人児童の健康課題を把握するために5名の児童とその保護者を対象に面接調査を実施した。その結果、中等度肥満が1名、寄生虫卵陽性が1名、未処置歯が3名であり、朝食の欠食が2名、朝食時の孤食が2名、便秘が2名、魚嫌いが3名であった。よくある身体症状では、「集中できない」が3名、「頭が痛い」が2名であった。早朝出勤は3名の母親と2名の父親にみられ、5名の保護者全員は、油脂や野菜摂取等に気を配っていたが、朝食の欠食や孤食を心配している保護者はいなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
A小学校において、児童と保護者対象の面接調査の依頼を保護者に行い、5名の児童とその保護者の協力が得られ、面接調査を実施することができた。しかし、面接調査は計画通りに予定人数の確保ができていないことから、達成度は「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、児童と保護者への面接調査を継続する。A小学校の日本語指導教諭の協力を得て、面接調査への協力が得られるよう保護者に働きかける。必要であれば、他の小学校への面接調査依頼を行い、研究協力者を確保する。 面接調査結果から、ブラジル人児童の心身の健康課題を明確にし、健康課題に影響する背景要因を捉える。その健康課題と生活様式との関連性を明らかにし、健康課題解決のための基礎資料として報告書にまとめる計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
面接調査は計画通りに予定人数の確保ができていないため、今後も継続して実施する必要がある。 面接調査実施における研究協力者、通訳者への謝金、旅費等を使用する。また、調査結果を学会報告するための旅費や宿泊費および報告書作成に使用する計画である。
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