2012 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者の情動を活かした看護介入方法と評価スケールの開発
Project/Area Number |
24660051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
占部 美恵(片丸美恵) 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (00451401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成本 迅 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30347463)
松岡 照之 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40636544)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 認知症 / 情動 / BPSD / 脳画像 / 扁桃体 |
Research Abstract |
1.研究目的:認知症高齢者の情動の関連要因を脳画像、認知機能検査、インタビューより明らかにし、その結果から得られた脳の残存機能をエビデンスとした、認知症高齢者の情動を活かしてポジティブな情動を引き出す看護介入方法と情動評価スケールの開発を目的にしている。そのために、認知症高齢者が表出している情動と扁桃体の投射領域の体積、behavioral and psychological symptoms of dementia (行動症状・心理症状、以下BPSD)との関連を明らかにすることを第1段階の目的にして、平成24年は実施した。 2.意義:本研究は、高齢者や介護者の在宅生活を脅かすBPSDに対する心理症状および情動への介入のエビデンスを明らかにした非薬物的介入の開発を目指すものである。 3.研究方法:アルツハイマー病と診断され、認知症治療薬を内服していない認知症高齢者を対象にしている(現在8名、女性)。対照群は、認知機能が低下していない健康な65歳以上の高齢者(男性6名、女性15名)である。MMSE(Mini-Mental State Examination)にて認知機能を測定し、Behave-AD(アルツハイマー型認知症行動スケール)にて、BPSDを家族より調査した。また、クリクトン高齢者行動評価尺度にて気分を測定した。脳画像は、MRI(Achieva3.0T:PHiLPS)によるT1画像を撮影し、Voxel-based morphometryにて、脳の萎縮部位を対照群と比較した。脳機能画像解析にMALTLAB2007、SPM8を使用した。 4.結果:対象者数が少なく、まだ結果を示すに至っていない。平成25年度も継続していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
認知症薬や疾患による影響を排除するために、対象とする認知症をアルツハイマー病に限定し、認知症薬を内服していない方を対象にした。認知症専門病院を受診する認知症高齢者を対象にしているが、専門病院を紹介したかかりつけ医の段階で認知症治療薬が処方されているケースが増えており、対象者の選定に時間を要しているため、当初の予定よりやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度も、第1段階の目的である認知症高齢者が表出している情動と扁桃体の投射領域の体積、behavioral and psychological symptoms of dementia (行動症状・心理症状、以下BPSD)との関連を明らかにすることを目的にして、継続していく。対象者数が20~30名になったところで解析を進め、関連を明らかにしていく。 この結果を踏まえ、第2段階の研究目的である脳の残存機能をエビデンスとした、認知症高齢者からポジティブな情動を引き出す看護介入方法の開発にむけた介入研究を開始していくことを考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度・25年度の結果を国際学会にて発表および情報収集のため、旅費とする。また、データ整理のための謝金とする。
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