2012 Fiscal Year Research-status Report
認知症の周辺症状(BPSD)による精神病床入院から地域移行への看護ケアモデル開発
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24660059
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
萱間 真美 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (60233988)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 認知症 / 周辺症状(BPSD) / 地域移行 / 多職種 |
Research Abstract |
本研究の目的は、認知症の周辺症状(BPSD)のために地域生活が困難となり、入院治療を受けて再び地域生活に復帰することができた事例の、在宅医療および入院医療のBPSDケアの成功要因を記述・分析することである。 平成24年度は、出雲市の重度認知症デイケアおよびオーストラリアのパースにあるアルツハイマー協会の行動コントロールサポートチーム(Behavior Control Support Team)の訪問支援に同行し、継続的にフィールドワークを行った。 出雲市では、デイケア機能によるサポートとともに、職員が対象者の送迎を行いながら、家族との調整や生活環境のモニタリングと直接介入を同時に行って、可能な限り地域生活の中断や環境の変化を防止することによって、長期間の入院を回避することが可能となったケースのフィールドワークを行った。 オーストラリアでは、地域で暮らす家族介護者がどのような周辺症状による問題行動に困難を感じて専門家にコンサルテーションを依頼しているか、そのコンサルテーションに対して、どのような専門家が関わりをしているのか、その実態が明らかになった。コンサルテーションは多職種チーム(看護師、作業療法士、理学療法士)によって行われており、職種によってアセスメントや支援の視点が異なっていることが明らかになった。 今後は、精神科病院の外来機能および病棟におけるケアについてのフィールドワークを引き続き行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに実施したフィールドワークは、入院前および入院後のケアについてである。今年度は、病床を有する精神科病棟に認知症のBPSDの治療のために入院したケースの、入院中および退院に向けたケアについて、患者家族および病棟スタッフに対するインタビューを中心としたフィールドワークを実施する予定である。また、外国人講師を招聘し、これまでの研究結果のスーパービジョンを受ける予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1年度目に行ったフィールドワークと、今年度行う予定のフィールドワークのデータと分析を統合して、研究の目標を到達できるように研究を推進する予定である。対象候補の病院管理者、主治医への説明を終え、研究代表者の施設における倫理審査を経て、対象病院の倫理審査を受けている段階であり、推進の具体的作業を進めている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これまでの研究結果から、外国人講師を招聘し、スーパービジョンを受ける必要性が出てきたため、次年度に一部使用することとした。また、インタビュー調査の旅費、テープ起こし費用、フィールドワークの追加やスーパービジョンのための費用の支出も予定している。
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