2012 Fiscal Year Research-status Report
精神科における医療従事者・患者への禁煙支援プログラム開発と有効性の検証
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24660068
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tenri Health Care University |
Principal Investigator |
志野 泰子 天理医療大学, 医療学部, その他 (30626817)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 精神障害者 / 禁煙 / プログラム |
Research Abstract |
精神障害者のよりよい禁煙環境を提供するために24年度は、実施計画どおりに職員と患者に対して、それぞれ健康教育や講演会を実施し知識普及を行った。その結果、職員等から病棟内にある喫煙室の受動喫煙影響を知りたいとの意見があり微小粒子状物質の環境測定と尿中コチニン測定を実施した。環境測定は、当初の計画にプラスして実施することとした。測定結果は、職員の意識変容につながることが出来、敷地内禁煙化の実現にこぎつけられた。敷地内禁煙後の成果を評価するために、事後調査を行い意識について分析をした。分析結果では、職員が獲得すべき情報や知識項目を明らかにすることができた。特に職員においては、職種にかかわらず喫煙影響や禁煙についての情報提供が必要であることが明らかになった。患者については、一般患者との間で知識の差がほとんどないことも分かった。このことは、精神障害者に対して特別な指導が求められるわけではなく一般患者と同様の知識普及を何度も繰り返し実施していく必要性が明らかになったと考える。25年度は、さらにインタビューや禁煙支援で深めていき禁煙支援プログラムの内容項目を検討していく予定である。職員プログラムについて現在、案を作成している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通りの進捗である。 意識調査の分析から、患者に対しては、一般病棟患者とほとんど意識の差がないことが明らかになった。このことは精神障害者の禁煙支援においての知識普及については、特別なメニューが求められるわけではないとも考えられるが、精神障害者の疾病特有の周囲に影響を受けやすい特性や自己決定の弱さをカバーできる環境条件を実証するためには、退院後の禁煙成功者へのインタビューや精神障害者への禁煙支援を通して検証していく必要性があると考えている。計画では、患者に対する禁煙支援は疾病別の影響が大きいと想定していたことから病院内でプログラム案が出来ると考えていたが、作成するには、周囲の環境条件や精神障害者が弱いとされる自己決定能力を支援できる環境要因について調査やインタビューで深めていく必要があると考える。職員への支援プログラム案は、予定どおり作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
社会復帰施設に通所する精神障害者への禁煙支援や禁煙継続者への調査とインタビューを実施し患者への禁煙支援プログラムを作成する。 職員プログラムでは、協力病院、施設等において試行し修正、再試行により最終案作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査・インタビューに対する打ち合わせ会議(旅費) 100,000円 調査者に関する諸費用(人件費、謝金)300,000円 その他調査関連需用費等 100,000円
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Research Products
(3 results)