2012 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド型命令パイプラインによる超高電力効率プロセッサの研究
Project/Area Number |
24680005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
塩谷 亮太 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (10619191)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 計算機アーキテクチャ |
Research Abstract |
H24年度は基本方式や要素技術を検討し,方式提案を行うとともに,シミュレータやプロセッサの作成とそれによる評価を行った. 方式提案においては,プロセッサのバックエンド部分をさらに省電力化するための方式を提案し,それについての論文を先進的計算基盤システムシンポジウムSACSISに投稿,採録が決定している.また,提案方式では縮小されないプロセッサのフロントエンド部分の問題を解決するためにRTC方式の改善を行い,それについての論文を同シンポジウムに投稿,採録が決定している.なお,これらの研究は同シンポジウムにおいてそれぞれ「最優秀論文賞」「優秀若手研究賞」の受賞が決定しており,高い評価を得ている. シミュレータやプロセッサの作制・評価については,(1)IPCと消費電力を測るためのシミュレータ,(2)LSI試作に先立つFPGAで検証を行うためのプロセッサ,(3)プロセッサ内のROB/RF部分のフルカスタム・レイアウトをそれぞれ実装・作成した.(1)のうち,IPCについては代表研究者が所属する開発チームによって開発されているプロセッサ・シミュレータ「鬼斬」に提案方式を実装して評価した.また,消費電力についてはプロセッサの電力や回路面積を評価するためのシミュレータ「McPAT」に提案方式を実装し,評価した.これらの評価からは非常に良好な結果を得ており,プロセッサ全体で消費電力を20%削減しながら,逆にIPCを10%向上させられることが確かめられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本方式のシミュレータへの実装と評価はおおむね完了しており,平成24年度の最も大きな目標は達成されたと言える.また,平成25年度以降に行う予定であったLSI試作についても一部前倒しして開始しており,この点においても順調である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は申請書の研究計画にあるように,提案方式を実装したプロセッサの試作を進めていく.また,これまでに得られた評価結果などを元に国際会議や論文誌等に成果を発表していく予定である.
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Research Products
(5 results)