2013 Fiscal Year Annual Research Report
意味的に周辺にあるウェブ情報へのナビゲーションの研究
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24680008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大島 裕明 京都大学, 情報学研究科, 特定准教授 (90452317)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 情報図書館学 / 情報システム / 情報検索 / 情報抽出 |
Research Abstract |
本研究の目的は、現在ユーザが閲覧している情報から、意味的に周辺にある情報に容易にアクセスできるようにすることである。ある情報に対して意味的に周辺にある情報とは、一般化、特殊化、平行移動などの関係にある情報のことである。この目的を達成するため、(1)Web情報の特徴表現、(2)複数の語集合に対する知識発見技術、(3)取得された知識を用いた周辺情報の取得、(4)ナビゲーション情報の提示の各機能について研究開発を行う。平成25年度の実績について以下で説明する。 (1)ユーザが閲覧している情報周辺の対象としてはWeb情報を扱う。特に、Webブラウザとして一般的となっているタブブラウザの利用を想定した。タブブラウザでは、ユーザがタブを切り替えることなどを行いながら、同時に複数のページを閲覧することが可能である。共起して閲覧されているページ群を認識し、それらで頻出する語を抽出し、さらに、検索エンジンに与えられたクエリも利用し、ユーザが行っているタスクを特徴ベクトルとして表現する手法を開発した。 (2)前年度に引き続き、大量のテキストコーパスから作成された、語の上位下位関係の辞書から、同位関係や上位下位関係のうち重要な意味をもつ部分を抽出する手法として、二部グラフの分析技術を利用した手法を提案した。さらに、語集合に対する意味のある同位語集合を取得する手法として、まず、語集合の要素に対して上位語下位語辞書を用いて候補となる同位語集合を作成し、その中で意味のある語集合を評価する手法を提案した。 (3)Webページを閲覧している際に、ユーザが過去に閲覧したページの中で、再度閲覧したいと考えると想定される情報を発見する手法を開発した。 (4)上記で述べた各種機能について、Webブラウザのアドオンとして実装し、閲覧中のWebページに対して、周辺情報を提示するインタフェースを開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画で提示した4つの技術について、おおむね予定通りの成果が現れている。成果発表についても、論文誌や国際学会での発表をすることができており、計画通りであるといえる。本研究では、(1)多様なコンテキストに対応し複数語を入力可能なオンデマンド知識発見手法の実現、(2)閲覧中のWeb情報の周辺情報へのナビゲーションの実現、(3)複数のWeb情報を同時に取得している場合の周辺情報取得の実現、という3点を目的としているが、研究予定期間4年間のうち2年間を経過した現時点で、全体を総合した目的達成についておおむねフレームワークが確立できており、今後、予定通りに研究を推進することで、目的が達成可能であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画の通り、研究を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度、リサーチアシスタントとして雇用することを計画していた学生が、他での職の関係上、予定していたよりも雇用できる時間数が少なくなってしまったことと、出張が予定よりも少なくなってしまったため、使用計画が計画通りとならなかった。 次年度は、当初よりも開発のための人件費を増額することを計画している。また、他業務との兼ね合いを考慮しながら出張計画を立てている。
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Research Products
(11 results)