2012 Fiscal Year Annual Research Report
自己の運動により成長する筋細胞バイオロボットの実現
Project/Area Number |
24680023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 正宏 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (50447140)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 知能ロボット / バイオロボティクス / アフリカツメガエル / 腓腹筋 / C2C12 / G-CaMP |
Research Abstract |
本研究の目的は,自己の運動により生起する機械刺激に応答して,形態と機能を改良する筋細胞バイオロボットの実現である.すなわち,ロボット自身の運動により身体が自発的に成長する人工システムである.生物は,自己が運動することにより機械刺激を細胞に伝えて成長する.そこで,本研究では,筋細胞と機械のハイブリッドシステムとしてバイオロボットを構成する.これにより,生物の有する成長する能力を直接ロボットに埋め込む.筋細胞はロボットのアクチュエータ兼,機械刺激センサの役割を果たす.本研究は,全く新奇なロボット工学技術を創出するのみならず,関節・筋肉組織の再生医療にも貢献する融合領域研究である.本年度は,筋細胞と機械のハイブリッドシステムを実現することを目的として,以下の二つを達成した. 1.(機械構造と生体アクチュエータの融合)アフリカツメガエル腓腹筋を拮抗筋構造で配置した一自由度ロボットアームの駆動システムを構築した.ここでは,膝下の2関節筋である腓腹筋を座骨神経細胞とともに摘出し,リンガー液下にて座骨神経を電圧刺激することを基本的な駆動方法とした.本取り組みでは,生体筋とロボット機械構造を融合しシステムを構成した. 2.(細胞による触覚センサ)マウス由来筋芽細胞株C2C12にカルシウムイオン可視化のためのG-CaMP遺伝子を導入し,細胞への機会刺激応答を検出した.本研究の成長するバイオロボットの実現のためには,アクティブに外界を知覚するための触覚センサを生体由来デバイスにより達成することが必須であり,本取り組みにより,機械刺激を「自己が作り出す」モデル実験系の達成へ向けた基礎技術を構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多種多様な技術の融合が必須となる,本研究に対して,機械構造と生体アクチュエータの融合,細胞による触覚センサといった複数の知見獲得を達成することができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度に達成した,機械構造と生体アクチュエータの融合,細胞による触覚センサの技術を統合し,バイオロボットのモデルを複数構築する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度には,ロボットの制御回路として電子部品,ロボットの骨格・関節の作成に必要な機械部品,PDMSシリコン樹脂ABS樹脂を購入する.また,細胞培養・実験に必要な培養消耗品・試薬類を購入する.国内外における成果発表旅費を計上する.また,H24年度には,学術研究助成基金助成金1,924,172円が未使用額となっている.これは,研究の試行を多く行ったために,必要備品の一部をH25年度に購入予定のためである.
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