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2013 Fiscal Year Annual Research Report

自己の運動により成長する筋細胞バイオロボットの実現

Research Project

Project/Area Number 24680023
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

清水 正宏  大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (50447140)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsバイオロボット / 筋細胞
Research Abstract

H25年度は,H24年度に開発した機能要素を統合しバイオロボットを構築した.ここでは,特定の生物種を限定せず,バイオロジカルデバイスとメカニカルデバイスの融合を目指した.
筋細胞群は,増殖・分化の過程をたどり,形態を変化させながら筋肉としての機能を獲得する.細胞群の中でいち早く筋肉として成熟した部分が運動し,さらなる機械刺激を生み出す.これが他の未成熟な細胞の分化を促すと考えられる.結果として細胞群全体が,成長する.このような現象を理解し,その特性をロボット工学的に解析・応用するためには,細胞への機械刺激の「外部からの印加」のみならず,細胞を埋め込んだロボットを運動させて機械刺激を「自己が作り出す」モデル実験系が必要不可欠である.
機械系として,自己運動で成長した筋・関節構造を構成した.コラーゲン膜上に培養した心筋細胞によって駆動されるマイクロロボットを開発した.ここでは,心筋細胞の自発的な拍動によってマイクロロボットの運動を引き起こした.この運動を持続させたまま1週間培養を継続した.すると,心筋細胞群が局在化しその部分を関節とするような屈曲運動が発現することを確認した.
また,本研究は,生体由来デバイスをより汎用的にロボットアクチュエータとして利用するために,筋肉組織を機械構造に取り付けた遊泳ロボットを開発した.具体的には,アフリカツメガエルの腓腹筋-坐骨神経標本を摘出し,坐骨神経を電気刺激することでアクチュエータとして利用した.アフリカツメガエルは,発生生物学におけるモデル生物としての知見が蓄積されており,生体の工学応用目指すための初動段階として適切である.本研究では,筋肉組織を駆動させるために電気刺激を行った.直接的な筋肉組織への電気刺激の印加は高い侵襲を伴うことから,神経を介した電気刺激を採用した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の目的であった,生体と機械を融合したロボットを順調に開発した.この結果は現在,論文投稿中であり,今後も継続的に発展が期待されることから,おおむね順調に伸展していると評価している.

Strategy for Future Research Activity

H25年度に開発した次の二つの生体筋・機械融合技術を高度化し,バイオロボットを実現する.第一に,アフリカツメガエルの腓腹筋-坐骨神経標本の制御技術を高度化しロボットに実装することで,構成論的に水中を遊泳するアフリカツメガエルの生体力学解析を行う.第二に,ラットの初代培養心筋細胞をコラーゲン薄膜上で培養し駆動するバイオロボットを開発する.以下にそれぞれの内容を述べる.
生体筋機能の解明には,本来の筋骨格構造が重要である.そこで,本研究では,優れた遊泳能力を有するアフリカツメガエルに着目し,アフリカツメガエルの筋骨格系を再現したこのカエルの生体筋で駆動されるロボットによる遊泳運動能力の実現を目的とする.ロボットは,カエルの後脚の筋骨格構造を再現し,この生体の遊泳時に主要に駆動される腓腹筋を駆動源としている.作製したロボットによる,生体の運動機能の実現を達成し,その遊泳能力に対する生体力学的評価を行う.
自身の運動により心筋細胞の自己組織化を促すマイクロロボットの開発を目的とする.具体的には,細胞の機械刺激応答を利用する.細胞は機械刺激を印加されると,刺激を感じるセンサが刺激方向に対して垂直な方向を向く.つまり,細胞は刺激を感じづらい形状に変形するということである.これより,細胞群に機械刺激を印加することで,細胞は機械刺激を感じづらい場所に局在化する可能性があると考えられる.そこで,マイクロロボットの形状に,構造的に弱い部分を持たせる.構造的に弱い部分を持つことで,その部分を支点とした運動を行いやすいことが予想され,細胞の局在化を期待する.そして,細胞の局在化によるマイクロロボットの運動の変化を確認する.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度使用額が発生している理由は以下の通りである.第一に,H25年度の研究において必要になった,UVオゾン処理装置の仕様を変更したため,購入をH26年度に変更させたことがあげられる.また,研究計画の検討を行う中で,心筋細胞培養の実験に必要な心筋細胞の購入数が当初予定数より少なくなったこと,またその影響で試薬等の購入数が少なくなったことがあげられる.
上述の理由を受けて,H26年度においては,UVオゾン処理装置を購入するとともに,心筋細胞の購入,また試薬等を購入し,研究計画を推進する予定である.

  • Research Products

    (6 results)

All 2013 Other

All Presentation (6 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 細胞の機械刺激応答を利用した生体機械融合システムの開発2013

    • Author(s)
      清水正宏,民山浩輔,宮坂恒太,宮坂恒太,中井淳一,大倉正道,細田耕
    • Organizer
      第56回自動制御連合講演会
    • Place of Presentation
      新潟大学
    • Year and Date
      20131116-20131117
  • [Presentation] ヒト足部の有限要素モデルによる歩行時の垂直床反力の評価2013

    • Author(s)
      小林太樹,清水正宏,荻原直道,名倉武雄,中村俊康,陣崎雅弘,細田耕
    • Organizer
      第31回日本ロボット学会学術講演会
    • Place of Presentation
      首都大学東京
    • Year and Date
      20130904-20130906
  • [Presentation] Toward Living Tactile Sensors2013

    • Author(s)
      K. Minzan, M. Shimizu, K. Miyasaka, T. Ogura, J. Nakai, M. Ohkura, and K. Hosoda
    • Organizer
      The 2nd International Conference on Biomimetic and Biohybrid Systems (Living Machines 2013)
    • Place of Presentation
      Natural History Museum, London, UK
    • Year and Date
      20130729-20130802
  • [Presentation] One-Degree-of-Freedom Arm Control with Dissected Gastrocnemius Muscles of Xenopus Laevis2013

    • Author(s)
      M. Shimizu, H. Aonuma, K. Hosoda
    • Organizer
      the 2013 International Workshop on Soft Robotics and Morphological Computation
    • Place of Presentation
      Monte Verita, Ascona, Switzerland
    • Year and Date
      20130714-20130719
  • [Presentation] 機械刺激により自己組織化する細胞触覚センサ2013

    • Author(s)
      民山浩輔,清水正宏,宮坂恒太,小椋利彦,中井 淳一,大倉正道,細田耕
    • Organizer
      ロボティクス・メカトロニクス講演会講演会2013
    • Place of Presentation
      つくば国際会議場
    • Year and Date
      20130522-20130525
  • [Presentation] 細胞の機械刺激応答と光駆動による細胞機械融合ロボティクス

    • Author(s)
      清水正宏
    • Organizer
      第5回Beyond Robotics
    • Place of Presentation
      大阪大学
    • Invited

URL: 

Published: 2015-05-28  

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