2015 Fiscal Year Annual Research Report
吃音の流暢性促進プログラム開発:神経科学的理解のセラピー法との融合
Project/Area Number |
24680025
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
豊村 暁 群馬大学, 保健学研究科, 講師 (90421990)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 吃音 / 脳機能計測 / fMRI / 脳波 / 事象関連電位 / 有症率 / 発症率 / マインドフルネス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は吃音に関する行動データ・脳計測データを多角的に取得し,吃音のメカニズムを明らかにすることで,将来的には吃音の流暢性促進法の考案・より良い選択につながる成果を目指している.吃音話者が異性の知らない他者と擬似的に対面会話する際のfMRI実験のデータについて,別の視点で解析したところ,情動に関わる脳領域の活動について興味深い結果が得られ,論文投稿の準備を進めてきた.まもなく国際誌へ投稿する予定である. 遅延聴覚フィードバックの発話への影響について,1年間に渡り脳波(事象関連電位)の実験を継続し,吃音話者と非吃音話者の合計40名程度から協力を得てデータを取得してきた.現在解析中であり,現時点では結論は得られていないが,28年度の学会で発表したいと考えている. 新たに取得した離島地区における3歳時点有症率(発症率)のデータを解析し,学会において発表した.また,3歳児健康診査に従事する言語聴覚士・保健師を対象として,吃音と判定する閾値に関する調査を行い,有症率との関連を調べ,学会において発表した.また,すでに一昨年までに発表済みの内陸地区の調査結果について,英語論文化の作業を共同研究者と進めてきた. 情動は発吃の主な原因ではないものの,多くの成人話者では緊張によって発話流暢性が変動する.また,長年吃音を有することにより,日常的に不安感をもつ場合もある.従って,吃音話者に対する心理的・身体的サポートも重要である.そこで本研究では,新たな実験課題として,吃音話者に対するリラクゼーションの効果に関する脳計測の準備と予備実験を進めてきた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
様々な視点で研究・実験を継続して進めている.脳機能計測実験を通じて,吃音のメカニズムに関する新たな仮説を得ている.論文化の作業には非常に時間がかかっているが,将来的には多くの研究成果が得られると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
事象関連電位のデータについては解析を継続すると同時に,吃音話者に対する計測を継続する.リラクゼーションの効果に関する脳計測の研究をスタートする.有症率のデータに関しては論文化作業を進める.順次結果が得られているため,地道に続けていきたい.また,吃音の勉強会等を通じて吃音当事者や関係者と議論する場を設ける.
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Causes of Carryover |
新たな研究課題に使用する機材について見積りを取ったところ,機材自体のアップデートのため3月末までに納品が難しいことが分かり,次年度において発注することになったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験機器類,謝金・人件費,出張費,英文校正料,その他消耗品等を予定している.
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] 吃音について2015
Author(s)
豊村暁
Organizer
前橋市ことばを育てる親の会
Place of Presentation
前橋市総合福祉会館(前橋市)
Year and Date
2015-12-07
Invited
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