2012 Fiscal Year Annual Research Report
サブミリ解像度のPET動画像の実現に向けたガンマ線計測技術の確立
Project/Area Number |
24680057
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊池 洋平 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50359535)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 画像診断システム / 核医学診断 |
Research Abstract |
本研究はPET装置の飛躍的向上のため、(1)高い汎用性を持つ位置敏感型半導体検出器の作製技術(PSD開発技術)の確立、(2)これを用いた高感度計測技術の確立を行うものである。 平成24年度は第1段階として、(1)PSD開発に関しては抵抗回路網を形成するための薄膜を検出器電極面に形成する技術の開発、および、理論計算を元にした検出器面上に形成する抵抗回路網の設計を行った。検出器面への膜、電極および抵抗体などの形成について検討を行い、インクジェット技術の応用が有効であることを知見として得た。ナノ粒子ペーストを材料とすることで検出器面上へのインクジェットによる各コンポーネントのパターンニングが可能となり、同様に本研究におけるPSD作製技術確立の目標である低温でのプロセスが達成できる。今後はパターンニング手法の詳細についての検討を行う予定である。また、抵抗回路網の設計については、電極面の端部の抵抗値を中心部分よりも低くすることによって従来型PSDにおいて生じるピンクッション歪を低減可能とする検出器デザインを考案した。このデザインを実機開発に活かしていくことを方針である。 また、(2)高感度化技術については、複数相互作用イベントにおける初回相互作用位置の特定手法の理論の構築と共に、シミュレーションを元にした手法の評価を行った。検出器材料をテルル化カドミウムとした場合に発生する各相互作用過程の頻度の調査を行い、この中で最も頻度の高い2回相互作用を生じる過程に関しての初回相互作用位置特定法を構築した。この手法の評価を行ったところ、特定精度は検出器の持つ位置分解能の他、エネルギー分解能にも顕著に依存することが判明した。このため、今後の検出器開発においては、エネルギー分解能を十分に保つことがより一層重要であると考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究での確立をめざす2つの技術、「PSD開発技術」と「高感度計測技術」のいずれにおいても、当初予定の計画に沿った形での目標達成が進んでいる。このため、研修計画は順調に進展しているものと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後とも従来の研究計画に沿って進めていく。PSD開発技術に関しては今年度技術導入についてより力を入れて取り組むことにより研究の効率化を目指す。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、今年度の開発計画におけるインクジェット技術導入によるPSD開発技術の効率的実施によって生じたものである。平成25年度請求額に合わせて、本研究計画のうち、PSD開発技術に使用する予定である。
|