2012 Fiscal Year Annual Research Report
拡張内視鏡イメージング-構造・力学特性を反映した三次元画像と実世界の融合
Project/Area Number |
24680059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中尾 恵 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (10362526)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 医用グラフィクス / 外科手術支援 / 可視化 / 拡張現実感 / 生体医工学 |
Research Abstract |
本研究では、術野の狭さや臓器変形が処置に影響を与える高難易度の手術を対象として、術者に臓器の内部構造や軟組織の裏に隠れた血管や神経の透視イメージを提供する拡張内視鏡イメージング法の開発を目的とする。本研究課題は拡張内視鏡像の生成、内視鏡・術具の位置・姿勢計測、手術プロセスに合わせた三次元画像の補正と可視化に大別できる。初年度はこれらの基礎理論を構築し、C/C++によるアルゴリズムの実装を行った。 (1)撮像対象の三次元構造を反映した拡張内視鏡像生成法の開発 拡張像の生成時に三次元画像に含まれる構造情報を用いて実画像とレンダリング像を混合可視化する方式について研究を行った。神経や血管等、複雑な生体構造を含む内視鏡画像・医用画像に対応した拡張像生成法を開発した。 (2)内視鏡及び術具の三次元位置・姿勢を反映した可視化システムの開発 手術時には内視鏡の角度や挿入量を頻繁に変更しつつ処置が行われる。この操作に同期して、術者が観察する内視鏡視野に対応した可視化結果を提示することで効果的なナビゲーションが可能となる。内視鏡の位置・姿勢情報をリアルタイムに計測し、可視化プログラム内のカメラを同期制御することによって手術対象の臓器を可視化するシステムを設計した。 (3)臓器変形・加工に対応した手術プロセス可視化法の開発 手術時に臓器に生じる変形や硬組織に対する切削などの一連の手術プロセスをシミュレートし、内視鏡のレンズ特性を反映してレンダリングする可視化アルゴリズムを開発した。臓器変形・加工シミュレーションには独自開発の医用グラフィクスライブラリを拡張した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の医療機関・診療科との医工連携体制の下、CT/MRIによって撮像された患者の三次元像上で手術プロセスの入力、カメラ画像とレンダリング像の同時可視化、術具先端の位置のリアルタイム計測及び可視化を達成する基本アルゴリズムを構築した。これら機能のライブラリ化を進めており、本研究は概ね順調に進展したと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、当初の研究実施計画に基づいて、A)撮像対象の構造・力学特性を反映した拡張内視鏡像生成法の開発,B)内視鏡映像のストリーミング画像処理法の開発,C)術中支援のためのジェスチャ入力インタフェースの開発を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は研究遂行に必要となる画像処理ソフトウェアやアルゴリズム開発用計算機などの購入に充てる。平成24年度末に投稿した論文の投稿費や、年度末に新規に販売が開始された装置の購入費として使用予定である。
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Research Products
(9 results)