2013 Fiscal Year Annual Research Report
熱中症対策・健康管理を目指した生体情報スマートイヤーモニターの先駆的開発研究
Project/Area Number |
24680063
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山越 健弘 金沢大学, 機械工学系, 博士研究員 (70444205)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生体情報計測 / 生体情報解析 / 健康・福祉工学 / スマートセンサ情報システム / 電子デバイス・機器 |
Research Abstract |
本課題は,最近大きな社会問題となっている熱中症や日常活動中の健康管理等に焦点を当て,深部体温(鼓膜温)・心拍(耳部光電容積脈波)などを「耳介密閉型耳栓(イヤーピース)」から取得し,スマートフォン(以下,スマホ)と連携させて「熱中症対策や自己健康管理」に利用でき,イヤホンとしても共用可能な「スマートイヤーモニター」の開発を目指した研究である。平成25年度は,主に,心拍情報を計測するための外耳道における適切な計測部位の検討,体動に強い波長の検討,およびスマホ用アプリの開発を行った。以下にその具体的内容を列記する。 1)イヤーピース方式による深部体温計測の妥当性に関する研究成果を国際誌に公表した。 2)H24年度に引き続き,耳部における光電容積脈波計測の基礎実験検討を行った。すなわち,最適な外耳道計測位置と基準化脈波容積(交感神経活動指標)の適用可能性の検討,および日常生活下で適用可能な最適入射光波長を実験的に明らかにした。これら基礎研究によって本課題の目標達成に向けて大きく前進した。 3)日常的な健康管理に有効な生理指標を精査した。 4)スマホ単体(iPhone内蔵のCMOSカメラとLEDフラッシュを利用)で心血管情報を測ることが可能なアプリ(iPhysioMeter: http://iphysiometer.com/app/)を改良し,その計測値と利便性を検証した。このiPhysioMeterはスマートイヤーモニターを開発する上での基盤技術となり,スマホ上での生体信号処理・解析・表示させる方法の具現化に向けて大きく前進した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
外耳道から深部体温と心血管指標を安定して取得する方法の基礎研究も推し進め,今後の当該研究発展に有意義な知見を得ることができた。これらの研究成果は,海外の一流学術専門誌(Aviation, Space and Environmental Medicine誌, Behavior Research Methods誌, Physiological Measurement誌, PLOS ONE誌),著書(Humana Press - a part of Springer Science+Business Media),および国際会議録(Proceedings of the IEEE Engineering in Medicine and Biological Society)にも受理・掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは,残されている基礎実験(運動負荷など)を実施する。その後,得られた知見に基づき,イヤーピースへ各種センサを組み込む方法を確立させる。その後,スマートフォンと連携させる方法(通信・信号処理・表示など)を検討し,専用のアプリケーションを試作する。本年度の目標は,実験評価用として実際にシステムを組み上げることである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
個人適合型イヤーピースの試作外注に相当程度の予算を計上していたが,研究の進捗上の理由(イヤーピースへのセンサの組込方法が未確定)でH25年度の発注は取りやめたため。 当該試作品を本年度に外注する可能性もあるが,独自に試作する為の機材の購入費に回すことも検討する。また,その試作の為の人件費や旅費としても回すことも検討し,研究がスムーズに進捗するよう有効利用する。
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