2014 Fiscal Year Annual Research Report
長期間の運動トレーニングが器官組織レベルの身体組成と基礎代謝量に及ぼす影響
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24680069
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
緑川 泰史 桜美林大学, 総合科学系, 講師 (50434345)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 身体組成 / 基礎代謝量 / トレーニング / 骨格筋量 / MRI / チャンバー |
Outline of Annual Research Achievements |
有酸素能力で分類し比較・検討した先行研究をreviewすると、最大酸素摂取量が基礎代謝量と関係するか否かについて、未だ明らかとなっていないことが分かる。このことから、本年度は持久性トレーニングを継続している若年者を対象に、器官・組織のエネルギー代謝率(kcal/kg/day)が有酸素能力によって左右されるのかを再確認した(本年度に分析時間が掛かる骨格筋・脳・臓器重量といったMRI画像と、ヒューマンカロリーメータによる睡眠時エネルギー代謝量のデータ出揃った。)。その結果、現段階の分析では、高い有酸素能力を有する若年齢男性陸上競技者においても、器官・組織のエネルギー代謝率は一般成人と同様な値を示すことが示唆された。以上の結果から、基礎代謝量を運動トレーニングで高めるためには、器官・組織の重量を増加させる必要があると推察された。 また、当該年度では、昨年度と同様に研究期間4年間に運動トレーニングによって除脂肪量が10kg以上増加することが期待できる大学相撲部員の新規測定、および、約1年間の運動トレーニング後の縦断的な測定を実施した。加えて、本研究に付随して、成長における器官・組織重量と基礎代謝量の関係性を検討し、成長期における器官・組織のエネルギー代謝率は、先行研究と同様に一般成人よりも高い値を示すことが示唆された。平成27年度では、多大な時間が掛かるMR画像分析・呼気ガス分析を進めるとともに、骨格筋量及び脳・内臓臓器重量といったデータが出揃った部分から研究成果(学会発表・論文投稿)発表に移行する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年前に測定を実施した対象者の運動トレーニング後における縦断的な測定を実施できた。また、平成25年度と同様に除脂肪量が10kg以上増加することが期待できるスポーツである相撲部員のさらなる協力を得られ、新規の測定を実施できた。加えて、MR画像取得後の分析も随時進めており、数値化されている。
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Strategy for Future Research Activity |
体重変動及び、相撲部引退時期を踏まえながら、これまでと同様な研究実施予定期間で相撲部員の測定を進める。この測定・分析により運動トレーニングを継続している対象者の1~2年後における器官・組織レベルの身体組成と基礎代謝量の変化を追う。また、新規の相撲部員に対し測定を実施し、n数を増加させる。 若年齢男性陸上競技者のデータが揃ったため、運動トレーニング(有酸素トレーニング)によってエネルギー代謝率は変化しないのか否かについての論文を執筆する。
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Causes of Carryover |
昨年度同様に測定自体は順調に進んでいるものの、得られたMR画像や呼気ガス分析に多大な分析時間が掛かるため、研究成果を発表するには至らず、未使用助成金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、前年度同様に新規の測定及び、縦断的な測定を着実に進めるとともに、研究成果(学会発表、論文作成)を可能な限り発表していき、計画的に助成金を使用する予定である。
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