2013 Fiscal Year Annual Research Report
腸管内自然炎症を制御するメタボリック症候群新規診断法開発の探索的基盤研究
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24680075
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
三好 規之 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (70438191)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 炎症 / 腸管ホメオスタシス / オーミクス解析 |
Research Abstract |
本研究では、肥満や糖尿病などのメタボリック症候群様症状を示す生活習慣病において近年重要視されている慢性的な軽度の炎症レベルを評価できる起炎性分子の探索・同定・機能解析を行う。特に、腸内細菌叢と生体との相互作用がメタボリック症候群の表現型を決定する大きな因子であることが明らかになりつつあるので、腸管内容物、粘膜組織、糞便中に含まれる化合物の分析を行い、血中の炎症性サイトカイン等のバイオマーカーよりも早期に且つ正確に、また非侵襲的に評価できるメタボリック症候群の新規診断法の開発を目的とした起炎性分子の探索的基盤研究を行う。 昨年度までに、先行研究で採取したC57BL/6Jマウス糞便を用い、サンプル調製法の検討およびUPLC-TOF-MSによる分析条件の検討を行った。さらに生活習慣病モデルとして汎用されているob/obマウスとその対照マウス(C57BL/6J)を飼育、経時的に採糞し、UPLC-TOF-MS分析を行い、疾患群特異的ピークの抽出を試みた。 本年度は、まず分析精度・感度の向上を目的として、サンプル調製法および分析条を改良し、試料の再分析・解析を行った。また、同分析条件でUPLCにより分離したサンプルを分取し、マウスマクロファージ由来RAW264細胞へ曝露させ、定量的RT-PCR法による TNF-α、IL-1β、IL-6の発現量を指標に起炎症誘導活性を評価した。その結果、ob/obマウス群糞便の水溶性画分、特に極性の高い分子が含まれる画分で、顕著な起炎症誘導活性が認められた。現在、顕著な活性が認められた画分の詳細な分析・解析を行い活性分子の同定を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、疾患モデル群試料に活性分子が含まれることを確認し、その候補分子の絞り込みに成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究に引き続き、採取してある試料の分析・解析および生物活性試験を行っていく。 研究が順調に進むようであれば、新たな疾患モデル動物の飼育を開始する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
機器購入のための前倒し請求額を多め(区切りのいい金額)で行ったため次年度繰越金が生じた。 H26年度研究費と合せて分子生物学・分析化学的実験の消耗品費などに使用する。
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