2012 Fiscal Year Annual Research Report
鳥類搭載型記録計を用いた海洋激変イベントに伴う生態系影響評価
Project/Area Number |
24681006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
依田 憲 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (10378606)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 海鳥類 / バイオロギング / 海洋環境 / 高次捕食動物 |
Research Abstract |
本年度は、鳥類搭載小型センサ(GPS)や生理生態学的手法を用いて、海洋環境の長期的(5年間)・短期的(1シーズン)な変動に対する海鳥類の行動的・生理的応答を明らかにすることを目的とした。4月から9月にかけて野外生態調査を行い、新潟県の粟島と岩手県船越大島で繁殖するオオミズナギドリと、青森県蕪島で繁殖するウミネコ合計約100羽に対して小型GPSを装着して採餌域を特定した。また、採餌トリップを終了した親鳥から胃内容物を採取することにより、採餌域に分布する餌情報を取得した。また、衛星情報などを用いて採餌域の海洋物理・生物情報を収集した。さらに粟島のオオミズナギドリに対しては、ジオロケータの装着と繁殖地での赤外線カメラの設置により、繁殖に関わるパラメータ(雛の補食、巣の滞在時間)の取得を行った。 また、ウミネコから採取した血液を分析することによって、テロメア長の経年変化と環境変動との関係を解析した。得られたデータを解析した結果、毎年変動する水温やクロロフィルa濃度の分布に応じて、オオミズナギドリが採餌域を調節していること、ウミネコが人間由来の餌をうまく利用して採餌を行なっていること、テロメア長の変化が海水温の年変化や東日本大震災の影響を反映している可能性があること、津波による加工場の操業停止がウミネコの採餌行動に影響を与えていたことなどが明らかとなった。今後は胃内容物をDNA分析する他、海鳥の移動経路に影響を与える要因を特定するために、海洋変動イベントとの対応関係を細かく解析する予定である。成果の一部を原著論文として発表した他(Yoda et al. 2012)、日本動物学会第83回大会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りの野外調査を実施することができた。ただし、大量のデータを得た一方で、充分な解析を終えたとは言いがたい。今後、年間比較を含めた解析を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
野外調査が非常に順調に進んでおり、今後も同様に進めていく。ただし、一部GPSデータ欠損を生じることがあり、今後設定等において改良の余地がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は海外より取り寄せた動物装着型GPSが比較的安価に購入できたため、当該助成金が生じた。来年度は翌年度の研究費と合わせ、精度がより向上したGPSの購入を行う予定である。
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Research Products
(4 results)